「立春米→円熟米」の年間予約の受付開始

(今年の「いのちいきいき米」の天日干し)

新米には二種類あります。

現代のお米の生産流通方式、すなわち、コンバイン+人工乾燥+玄米低温貯蔵では、新米は確かにおいしいけれど、お米はほどんど熟成しないで、夏場以降味が落ちていって、一年もたつと古米になってしまいます。(下図参照)一方、有機栽培+天日干し+籾貯蔵(+適度の温度管理)の場合は、新米はコンバイン米ほどおいしくないけれど、立春のころになると、コンバイン米を凌ぐ本来のおいしさが出てきます(=立春米)。それからは時間の経過とともにじっくりと熟成していって(=熟成米)、おいしさを保ち続け、一年もたつと、まろやかな円熟米になります。

大家族ではお米の年間購入を受け付けていますが、お客さんは固定客がとても多いです。おそらくその最大の理由は、このような味の変化を楽しんでいらっしゃるからではないかと思います。

また、2年ばかり積極的に円熟米を売ったことがありましたが、新米と同様によく売れました。11月に店頭に立って、巷では新米真っ盛りの中、あえて円熟米を一口サイズのおにぎりにしてお店に持っていて、買い物客に味見をしてもらったことあります。100名を超お客さんは皆さん一応に「おいしい」と言ってくれて、そこで「一年前のお米ですよ」というと、目を丸くして、あるいは首をかしげて、とても驚かれていました。その場で円熟米を買っていく方も何人かいました。

(天日干しした稲を脱穀しているところ)

私の経験では、円熟米は、少なくとも再来年の3月ぐらいまではおいしくいただくことができます。

さて、そこで、江戸時代のお殿様や公家が食べていたであろう(と、私が勝手に想像している)、旧暦に沿ったお米の食生活、「立春米→熟成米→円熟米」の年間注文を受け付けようと思います。つまり、今年獲れたお米を来年2月から再来年1月まで毎月お届けする形での年間購入です。ちょっと遊びっぽいですが、自然の道理にはかなっていると思います。
購入の仕方は、「いのち生き生き米」をご覧になってください。

小川