不耕起米作りが大学の必修科目に

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東京家政大学の環境教育科とのお付き合いは今年で5年目になります。フィールドワークという野外授業の選択肢の一つとして不耕起栽培の米作りに取り組んでいただいて、年に3回、田植と、草取りと、稲刈りに関東全県に散らばる学生さん60名前後が毎回参加されていました。取れたお米は大学に送って食べてもらって、授業の締めくくりとしてもらっています。それが、今年から必修科目になって、90名がこぞってやってきてくれました。                              学生さんたちは事前にETV特集で放映された岩澤先生の番組のビデオを見て、不耕起+冬期湛水の米作りについて一通り理解しています。その感想文を読むと、よく理解していて、自分の考えがしっかりとまとめられているものが多いです。ですから、しっかり動機づけができてから、やってきます。                                今年は大家族の不耕起+冬期湛水田んぼで、去年の稲が野生化し、多年草化して、春に生長を再開したため、田植えが不要になった田んぼが出現しているというホットニュースをお伝えしました。「その世界にはまだまだ『神秘の扉』がありそうです。」と。学生さんたちはとても興味深々の眼差しで話を聞いていました。

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(去年の古株から復活した稲は、非常に逞しい姿で成長している。)

その後、田んぼで固い土に穴を空ける棒を一人ずつに手渡して、草がまだ生えている田んぼで田植えをしてもらいました。5畝弱の田んぼに90名も入ると、さすがに壮観というか、所狭しというか、普通の5倍も時間のかかる不耕起の田植ですが、1時間もかからないで終わってしまいました。

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次回は、3週間後に草取りに来てくれる予定です。
学生のみなさん、お疲れ様でした。

田んぼで親子泥んこ遊び

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知り合いのお母さんから「田んぼで小さい子供たちに泥んこ遊びをやらせてもらえませんか。」と頼まれて、最繁忙期とは知りつつも、二つ返事で引き受けました。                                                                                                            なぜかというと、自分も子供の頃やりたかったことだから、それを子供たちに体験させてあげるのは親の務めであり、また喜びでもあると思ったからです。                                                                                                                              当日は、天気に恵まれて、格好の泥んこ遊び日和となりました。小さい子供たちと主にそのお母さんたちが田んぼで思い思いに這いずりまわったり、泥を掛け合ったり、かけっこで泥しぶきを飛び散らしたりと、すっかり泥水にまみれて歓声を上げていました。その後、畔でお弁当を広げて、みなさん、ご満悦のようでした。

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帰りに、私が用意していったお米や大豆などを買ってくれて、ありがたかったです。

よかったら、また来年もどうぞ!

たくさん取れたらどうするか

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人から聞いた話ですが、実は農家が生産する野菜の6割しか消費者のところに届かず、4割は農家によって処分されているそうです。なんともったいないことでしょうか!                                                                                       大家族のモットーの一つは「できた野菜はみんなで食べてやること」です。それで、おそらく処分している野菜は1割未満ではないかと思います。農家が困るのは、変な話ですが、予定より少なかったり、多かったりしたときです。そんなとき、大家族では「みんなで食べてやる」ためにさまざまに手を尽くします。その一例が、写真にあるように、同じ値段で量を増やすことです。お蔭様で、たくさんできて、たくさんお店に並べた絹さやは、その表示をしてからは、飛ぶように売れました。そして、今の所きぬさやはほとんど捨てることなく、誰かの手に渡っています。           農家に良し、消費者に良し、そしてきぬさやに良しで、三方良し!

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「いのちいきいき 円熟米」のご紹介

今、合資会社 大家族の不耕起・冬期湛水田では驚くべき現象が起こっています。それは、去年植えた稲株が冬の間に枯れないで生き残り、4月になってから再び株分かれを始めて、どんどん生長しているのです。つまり、完全に野生化して、多年草化したということです。

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(復活した稲株はすでに株分れが始まっている。)

その様子から判断して、秋には普通に穂を垂れるだろうと見込まれます。従って、そこは今年、田植えが不要になりました!          これは大家族の稲の生命力の強さを物語る出来事だと思います。

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(去年田植えした株の9割程度が今年復活した。)

さて、そのような生命力のある稲から取れた「いのちいきいき米」は籾で貯蔵しているので、じっくりと熟成していて、今頃から味はだんだん円やかになっていきます。市販の化学農法米は、玄米貯蔵ということもあって熟成せず、味の差が大きくなっていきます。

「いのちいきいき 円熟米」は特に発芽玄米にすると、新米より甘みが引き立って、とてもおいしくいただけます。(※大家族のお米の比較です。)発芽玄米炊飯器には、収穫後1年以内、精米後3か月以内のものを使うようにとありますが、「いのちいきいき米」は1年以上たってもちゃんと発芽します。

ということで、今日は、「いのちいきいき 円熟米」のご紹介です。

ご注文は、6月から来年2月まで9か月間承ります。

「いのちいきいき米」の特徴はそのページをご覧ください。

https://nagominou.com/?page_id=105

価格は

玄米5kg 3,720円(消費税込み、送料別途)

五分搗き・白米 5kg 4,090円(同上)

です。

合計で25㎏以上ご注文の場合、5%割引きとさせていただきます。

送料は以下の通りです。

●関東、信越、東海、宮城、山形、福島  450円

●関西、中国  650円

●四国     750円

●九州、北海道 850円

ご注文は上記ホームページからご注文いただけます。折り返し、振込先を明記した注文書をお送りいたします。

振り込みを確認次第、指定月に商品を発送させていただきます。

ご不明の点は、遠慮なくお問い合わせください。

夏野菜オンパレードの畑研修会

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(不耕起、無肥料のきぬさや) (固定種のトマトの定植)

昨日いのち生き生き栽培研修会 第3回目がありました。気持ちの良い5月の風に吹かれて、とてもさわやかな畑日和でした。3週間前と今日とで畑の様子はずいぶん変わっています。

じゃがいもは有機栽培の耕起畑では無茶苦茶元気だけれども、無肥料の不耕起畑の方は背丈もがさも小さくて、差がとても大きくなっています。その一方で、きぬさやは耕起畑でも不耕起畑でもどちらも元気で、差がないのは不思議です。いや、正確には不耕起のきぬさやのほうが甘みがあります。不通は、肥料を入れたほうが必ず甘いのですが。さらに、不耕起のスナックえんどうの甘みはしびれるほどです。という具合に、耕起と不耕起でどう違うのか、いろいろな作物ごとに見ていくのが「いのちいきいき栽培研修会」の面白い所です。

研修生は1時間講義を受けて、そのあと、8つの夏野菜の作業をこなし、他に5つの夏野菜の現状の説明を受け、最後は不耕起の絹さやとスナックエンドウの収穫(持ち帰り用)で締めくくりました。あっという間に一日が終わってしまいました。

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(トウモロコシ用に今年初めて試験的にビニールマルチ。あくまで例外的処置。通常は草マルチか藁マルチをする。)

興味がある方は、どうぞ一度お越しください。年間受講は何月からでも始められます。

除草剤に選別された人参-その2

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ご参考までに「和み農」の栽培方法に触れておきます。まず、大きな違いは大家族では旬でもないこんな時期に種は播きません。仮に育っても生命力の充実した人参にはならないからです。化学農法ではそんな人参でも虫が付けば、又別の農薬で虫を叩けばいいから、やれるのでしょう。本来の種まきの時期は梅雨から8月中旬ぐらいまでです。人参は本来は秋冬野菜なのです。次に、芽が出たら、「和み農」では、写真のように藁を敷いて黒い土を覆い、同時に藁で草を抑えます。すると、その藁の上でも下でも虫や小動物たちは自由に行き来することができます。例えば、アゲハチョウの幼虫は人参の葉っぱが大好きです。(黒い土の上は虫たちには暑すぎて砂漠のようなところです。)そうやって、自然に近い状態を作り、ニンジンだけでなく、虫やトカゲや微生物までもが居心地の良い環境を作るようにしています。それが生き物たちへの愛情の示し方です。

除草剤に選別された人参

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近所の農家が畑にかけていた何本ものシートを取り除いたら、帯状に草がびっしり現れた。何の野菜が芽を出したのか、よくわからない。   「こりゃあ、失敗かな。」と思って、そこを通るたび眺めていた。  すると、今日草が枯れていて、緑の筋がはっきり見えるようになった。 なんと、ニンジンが播かれていたのだ。農家が昨日かおととい除草剤を撒いたのだ。

「農薬農家はこうやって草取りをするのか!」私は唖然とした。
人参だけ枯れないで、他のすべての草を完全に枯らす除草剤があるのだ。だけど、その農家のやり方を知って、またそんな除草剤があることを知って、私は恐ろしくなった。自分に都合のいい野菜だけ生き残れば、後の草は殺して何が悪いという傲慢さは、どこかの国の独裁者と何が違うのだろうか?
そして、除草剤に選別されて生き残った人参は、大丈夫なのだろうか?人参とて、その恐るべき農薬を間違いなく根から吸い取っているだろうに。でも、巷に出回っているにんじんはもしかすると、ほとんどそんな人参なのかもしれない。

見た目では量や重さはわからないから、

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キャベツの大きさ=重さではないということはご存知ですか。きっと家庭の主婦なら良くご存じのことでしょう。そこで、大家族では重さに合わせて値段を決めています。細かくきめれば、一円単位でもできなくはないのですが、バーコードを張るのが大変なので、取りあえず、50円刻みです。それでも、一律の値段を付けるより、公正じゃないかと思って。

ところで、スーパーのキャベツはなんであんなに見事に同じ大きさなんでしょうか?そこが有機栽培と化学栽培の違いです。有機栽培では、必ず一つ一つの種の個性と能力の違いが現れるので、大きさはまちまちになります。しかし、化学肥料はキャベツの中に無理やり押し入るから、キャベツは個性の発揮しようがないのです。

 

 

万歩計

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私の簡単携帯、爺さん用には万歩計がついています。農家って、一日にどれくらい歩くと思いますか。今日は、体感的には平均的な日だったと思いますが、13,200歩ほどでした。稲刈りの時は時計と反対周りに田んぼの中を稲刈り機について行って、ぐるぐるぐるぐる回って、2万歩は簡単に超えてしまいます。道理で足腰が強くなるわけですね。

“奇跡の稲”で自然耕塾が俄然盛り上がる

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(苗にローラー掛け)       (これも2年目の稲です。)

昨日は自然耕塾の第3回目の研修日でした。5月のすがすがしい陽気の中で、先月塾生が播いた種がよく発芽して、順調に育っています。それを見て、皆さんとても喜んでいました。しかし、その苗を写真のようローラーで押さえつけて、少しいじめました。”奇跡の稲”にやったのと同じ仕打ちです。

そう、今年の自然耕塾では、とんでもない目標が一つ増えてしまいました。”奇跡の苗”に刺激されて出てきた目標です。その中身はまだ内緒です。まずは、目の前にある田植えを済ませ、しっかり育てて、ちゃんと稲刈りと脱穀ができるようにしないといけません。例年なら、自然耕塾はそれでめでたしめでたしとなるのですが、今年のもう一つの目標はそれから始まります。というのが、ヒントです。

さて、目の前の現実に戻ると、実習では、泥で陸地化してしまった田んぼを元の状態に戻す作業をやりました。150510_1207~01

不耕起の田んぼではこういうことがまま起こります。

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また、冬季湛水の田んぼは草が生えにくいのは事実ですが、ゼロということではありません。そういう環境にはそれにふさわしい、強者の雑草が侵入してきます。その草取りもやりました。そうして、田植えの準備が整いました。

講義では、稲がネズミ算式に分けつする仕組みについて説明しました。農家でも意外とその仕組みは知りません。みなさん、目から鱗だったようです。