小さな工夫で人手が半分になった

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お日様の下で稲の種籾の選別作業を丸一日やりました。そして35㎏が用意できました。
午前中はご覧のとおり、二人でその作業をやっていましたが、午後は写真にあるように一人ででもできるようになりました。

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どうしてかというと、袋を支えるちょっとした型枠のようなものを針金で作って、袋をバケツに固定できたからです。たったそれだけのことで一人でもできるようになって、労働力が半分で済むようになりました。やったね!と気分がよかったです。

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では、どうしてそのような枠を考え付いたのかと言うと、私が袋を広げて持つ番になって、
「ずっとこれやるの?結構きついな。」
と思ったのがきっかけでした。それで針金を持って来て適当に型枠みたいなものを作って、その枠を支えることを考えてできたのが写真にある針金治具です。
我ながら面白いと思うのは、私はこの作業を10年以上、つまり10回以上もやっているのですが、型枠を作るという発想は今まで全然閃いたことがありませんでした。だから、いつもこの作業は二人以上でやってきました。
この例のように、何でもどんな役でも自分でやってみるものですね。自分でやったら、人の辛さがわかる。そして、その場でいいアイデアが思いつくなんてことがあるんですね。いい教訓になりました

小川

 

不耕起の畑と耕起の畑の野菜を比べてみる

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いのちいきいき栽培研修会の初日は天気予報に反して北風が吹き、雲間が切れない、とても寒い一日でした。
それでも参加者のやる気は満々だったので、寒さを吹き飛ばして頑張りました。
とにかく不耕起と耕起で何がどう違うのか感じてもらおうと、わさび菜やホウレン草の葉っぱや白菜やブロッコリーの蕾を食べてもらい、キャベツやブロッコリーの大きさなどを比べてもらいました。

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みなさん、不耕起の野菜は香りが強いことに驚いていました。また、キャベツやブロッコリーは耕起のほうがずっと実が大きいことに感嘆の声が上がっていました。

また、草と野菜の共生する不耕起の畑の様子は耕起畑では見られません。でも不耕起の畑でも肥料のいる野菜といらない野菜があることや、同じ草でも外来種の牧草には太刀打ちできないことも説明しました。

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そして、初回の定番ですが、鍬で耕す練習をして、その感触を感じていただき、そこへジャガイモを植えました。ある主婦の方は「楽しい、楽しい」と連発していました。

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午後は、寒さを逃れるためビニールハウスのあるところまで移動して、講義をしました。ハウスにはちょうど野菜の苗のポットが温床に並べたばかりだったので、その様子を見てもらうことができてタイミングがよかったです。
お土産に不耕起の大根とキャベツと玉ねぎヌボーを持って帰っていただきました。

小川

自然耕塾、始まる

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不耕起・冬期湛水で生物多様性を育くむ米作りについて学ぶ自然耕塾が始まりました。今年で6年目になります。今年はすでにご案内の通り、稲の多年草化現象が起こっているので、そのメカニズムを解明して、多年草化の技術化の可能性を追究するという、ひょっとすると日本で初めての挑戦をします。

そこの田んぼにはすでに耕さない田んぼにしか出現しないサヤミドロと言う、珍しい藻が出始めています。そして、つい最近確認された、イチョウウキゴケという絶滅危惧種II類の浮草も少しずつ増えてきました。

そして、5枚ある田んぼから無作為で稲の株のサンプルを掘って取り出して調べてみたところ、全ての稲株がまだ生きていることが確認されました。

4殿様苗の田んぼの稲の株

参加者の皆さんは初めて目にする、冬越しの稲の株を不思議そうに見入っていました。
季節はもうすでに春めいてきているので、おそらくそれらの稲は多年草化するのではないかと思われます。とすると、今年の田んぼは多年草化した稲だらけになるかもしれません。
それで、私は
「みなさん、これでは今年は田植えができなくなってしまいますねえ!」と言ったら、  大笑いしていました。
いやあ、本当にどうなることやら。田んぼから目が離せなくなりそうです。

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講座では多年草化を可能とした岩沢信夫先生の「寒さの中で鍛える苗作り」について次回以降詳しく学びます。
関心おありの方は、まだ遅くありませんので、ぜひ次回からご参加ください。全11回で、 11月まで月1~2回のペースで行います。
詳しくは「自然耕塾」をご覧ください。

 

小川

固定種のキャベツ

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以前、株元に藁を敷いたキャベツが「ぬくい、ぬくい」と言ってるようだとのお話をさせていただきました。そのキャベツがいよいよ収穫期に入りました。形もいいし、シャキシャキなのができました。味も申し分ありません。

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ただ、ご覧の通りで、大きいの小さいのと、大きさがまちまちです。それがまさに固定種の特徴であって、生物多様性と言う観点から言えば、当たり前のことだし、いいことに違いありません。全部が同じ形で同じ大きさのF1と大きく異なるところです。
「本当に安全なら、必ず価値がある。付けられる値段がある。」と考えています。それで、このような大きさのバラバラなキャベツ売るときは、重さに応じて異なった値段を付けています。
この売り方の利点は、お客さんにとって公平なことです。それから、お客さんは必要に応じてちょうどいい大きさを選べることです
おかげさまで、お店に持っていくキャベツはいつもとてもよく売れています。ありがたいことです。

小川

 

 

準絶滅危惧種のイチョウ     ウキゴケが復活

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不耕起冬期湛水の田んぼに突然出現した新しい浮きゴケ。
写真を撮って調べたら、イチョウウキゴケというのがその名前で、準絶滅危惧種(NT)だということがわかりました。
これはまた貴重な植物が復活したものです!
ばんざ~い!ばんざ~い!

でも、どうして田んぼ再生して7年目もたってから出現するのでしょうか?
自然って、本当に不思議です。不耕起冬期湛水の田んぼは神秘に満ちています。
稲は多年草化するし、絶滅危惧種IB類のほとけどじょうは
大繁殖するし、本当にわくわくどきどきします。
私の恩師、岩沢信夫先生から伝わったのは、実にこのわくわくドキドキ感でした。

小川