2015年8月15日
今からちょうど70年前の8月6日に広島で、そして8月9日に長崎で、アメリカ軍によって原子爆弾が落とされました。わずか3日の内に私たち日本人は世界の歴史の中で前代未聞の大量殺戮と想像を絶する都市の壊滅的破壊を2度も経験したのです。それによって日本は選択の余地もないまま無条件降伏を受け入れて、第2次世界大戦に敗戦して終戦となったのでした。その日は、年に一度国民がこぞって先祖のみ霊を自宅に迎え入れる旧盆の最中でした。この一連の魂に響く重い日々は、私たち日本人が目の前に未だに生々しい「生と死」を見つめて、自らと日本民族の魂の来し方行く末に思いを馳せる日々になっています。戦争に負けたとき、私たち日本国民一人一人が、身内を失った深い悲しみの中で、人の愚かさ、戦争の残虐さと理不尽さ、原爆の言語を絶する残酷さと非人道性を見つめて、「二度とこのようなことを繰り返してはならない」と深く深く魂に刻み、真摯に痛烈に反省しました。その時に、歴史の偶然とは思えない、いわゆる平和憲法を天から与えられました。その第9条にはこうあります。
1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 今になってわかるのですが、これは第2次世界大戦で犠牲となった世界中の数千万人のみ魂の祈りが結晶したものです。神様はその祈りを受け止めて、日本国民に与えてくださったのです。
私たち日本国民は、憲法9条を世界に向けた私たちの平和の誓いの証となし、以来幾多の試練や風雪に晒されつつも心を一つにして憲法9条を守ってきました。そして、私たちは本気で平和国家の平和を愛する民にすっかり生まれ変わろうと、愚直に、謙虚に、健気に平和への道を歩んできました。そうして、諸国民の信頼を勝ち取ろうと地道に努力を積み重ねてきました。今では確かに軍隊も持っていて、憲法9条の順守は決して完全ではありません。しかしながら、それを守り抜く不断の努力がある程度は結実して、幸いなことに、日本は第2次世界大戦後どこの国とも戦火を交えることなく、70年に渡る平和を維持してきました。先ほど少し触れたように、私たちの昔からの風習で、毎年8月13日にはお墓参りをして先祖の魂を自宅に迎え入れ、御馳走を振る舞って、3日間先祖の魂と共に過ごします。そのとき、戦争の犠牲となった親兄弟のいる家庭では、仏壇の前に座り、その魂に手を合わせて、妻や子や孫が「お父さん、お兄さん、お二人の平和の祈りを私たちは現実としましたよ。お二人の死は決して無駄にはなりませんでしたよ。」と語りかけることができます。その時にその遺族はしみじみと平和な国になってよかったと思うのです。その思いを私たち日本人は全員が共有しています。日本の遺族がそのように仏前で平和を達成したことを報告をするとき、きっとその波動は、日本軍の犠牲となった数百万のアジアやアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパのみ霊にも届いていることでしょう。そして、その方々も天国でさぞかし安堵していらっしゃることでしょう。
しかし、愚かにも、今まさに世界中が最も必要としている、日本国憲法のような平和憲法を、こともあろうに、一国の首相が率先して葬ろうとしています。憲法を犯して、日本を「戦争のできる国」にする法律を制定しようとしています。それを政権与党が全面的に支持しています。しかしながら、私たち日本人の大半は首相と政権与党の行為に反対しています。これほどの愚行は戦後の日本の平和史に例を見ません。これほどの先見性の欠如、歴史の流れに逆行する、時代錯誤の行為は世界中の良識ある人々から非難と軽蔑の眼差しを向けられて当然であると思っています。残念ながら、世界から冷たい疑いの眼差しが私たち日本国民にも向けられていることも感じています。 終戦70周年のこの時に至り、私たち日本国民は改めて世界中の平和を愛する方々に次のことをお伝えしたいと思います。
1. 私たち日本人は先の日本の侵略戦争で犠牲となって尊い命を落 とされたアジア、アメリカ、オーストラリア、そしてヨーロッパの何百万人ものみ霊一人一人に思いを馳せて、改めて深く痛切なるお詫びと心の底からの反省の言葉を捧げ奉ります。 2. そして、日本軍が侵略した諸国に於いて、本土の犠牲となった沖縄に於いて、そして本土に於いて、無念の最期を遂げた数百万の日本人のみ魂の安らかならんことを心から祈ります。 3. 私たち日本国民は、政府が何を企もうとも、世界中の戦争犠牲者の祈りの結晶である憲法9条を、命を賭して断固として守り抜くことを今この時に誓います。
皆様方の日々が平穏でありますように。 世界が平和でありますように。 神のご加護がありますように。
小川 誠 合掌