田んぼからトンボが消えてしまう前に

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(羽化したばかりのアキアカネ(通称 あかとんぼ)

トンボはどこで生まれるのか?実は田んぼが圧倒的に多いのです。だから、田んぼにニプロフィルやネオニコチノイドなどの農薬が撒かれると、ヤゴはすぐ死んでしまいます。そして、田んぼや畑に農薬が撒かれると、トンボの餌となる虫も死んでしまいます。トンボの個体数は過去20年間で1000分の1にまで激減してしまっているそうです。このままいけば、私たちになじみの深い「あかとんぼ」の歌に描かれる光景も遠くない未来に過去の出来事となり、歴史文化遺産となってしまうでしょう。
夕焼け小焼けの  赤とんぼ
追われてみたのは いつの日か
(2番、3番省略)
夕焼け小焼けの 赤とんぼ
止っているよ 竿の先

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(とにかく、なにかの先に止まるのが大好きなあかとんぼ。指先や頭の先(てっぺん)にも止まったりして、愛着を覚えます。)

私が小学校で習った「めだかの学校」は私の住む相模原市の自然界にはもうどこにもないと思います。その光景はもはや私たちの身の回りの日常ではなく、懐かしい過去の出来事、博物館の中にしかない歴史文化遺産でしかありません。かりに全国的な保護活動でメダカという種の絶滅は辛うじて免れているとは言ってもです。
めだかの学校は 川の中
そっとのぞいて みてごらん
そっとのぞいて みてごらん
みんなでおゆうぎ しているよ

日本各地で日常に当たり前にあった光景、生きものと共にあった生活が失われていくとき、私たちは同時にこの美しい日本の風土が育んだ日本人の感性や文化を同時に喪失していくことに気が付かねばなりません。その分だけ、子供たちの豊かな心の世界が一つまた一つと貧しくなっていることを認識しなければなりません。もちろん、その前にメダカやトンボが棲めない田んぼで育った、生命力の少ないお米が子供たちの体をじわりじわりと弱らせていくことにも気が付いてほしいと思います。

トンボ

(かっこういいですね。とんぼの飛翔能力は航空力学の研究対象だそうです。)

しかし、今ならまだぎりぎりで間に合います。
例えば、私は去年まで農薬と化学肥料で何十年も米を栽培していた田んぼを今年になってから借りて、そこでお米を作り始めました。昨日、その田んぼに行くと、夥しい数の羽化したばかりのアキアカネや糸トンボを発見しました。救いは、トンボが羽を持っていて、飛べることにあります。彼らは農薬と化学肥料の撒かれていない田んぼがあると知ると、たちまち飛んでいって、そこに卵を産みつけるのです。たぶん本能的にそういう安全な環境のありかを察知することができるのです。すると、卵は2,3か月で羽化してトンボになります。田んぼの土にはまだ農薬が残っています。だから、そこにはまだあまり草が生えません。それでも、ヤゴは死にません。水がきれいなら大丈夫なのです。だから、無農薬の田んぼに切り換える農家が増えれば、あるいは有機米農家が栽培面積を広げることができれば、トンボはまだ復活できます。だから、トンボを守るために、トンボを復活させるために、ぜひともみなさんには有機栽培のお米を食べていただきたいのです。
私は「自然の側に立つ」と決意して農業に参入した人間です。仕事の半分は環境再生と環境保護の仕事をやっているつもりです。その現場から訴えます。ぜひとも、現場の訴えに耳を傾けていただきたいと思います。
小川 誠

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