幻の藻サヤミドロが冬の小川に

田んぼの作業を終えて帰りがけ、いつもとは違う小川の緑に気づいて車を止めて近づいてみると、それは幻の藻サヤミドロでした。

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その藻は普通の田んぼでは見られません。耕さない田んぼにしか発生しない藻です。それがどうして小川に発生したのか?
じつは、原因は私にあります。5年前、耕作放棄地を田んぼに再生して、2年目から耕さないでお米作りを始めたところ、サヤミドロが発生してきました。その時はとても感動しました。いったい何百年間そこで眠っていたのか。私は毎年その田んぼで苗代を作って苗を育てています。その苗を運んでほかの地域にある多くの田んぼでも米を作っています。すると、その苗にサヤミドロの胞子が付着したのでしょう、そこの田んぼ群でもサヤミドロが発生するようになりました。その量が年々増えています。でも、もちろん、私の田んぼでしか見られません。ほかの田んぼは除草剤を撒くからです。きっとそのサヤミドロの胞子が排水路から小川に流れ込んでいたのでしょう。小川ももちろん耕していませんから、サヤミドロは自分の住処と思ったのでしょう。5年目にして発生したのです。見ていて大変美しい緑色をしています。
さて、サヤミドロは普通の図鑑には載っていません。農家も全然知りません。でも、素晴らしい働きがあります。まず、もちろん魚の隠れ家になります。餌にもなります。そして、大量の酸素を水に供給するので、生き物が増えていきます。つまり、田んぼの生物多様性再生の起爆剤になる重要な藻なのです。そして、最後は、田んぼの肥料になります。                 5月になると用水路に変身するその小川。農薬が流入するようになるので、サヤミドロはたぶん死滅するでしょう。でも、きっと冬場になると、きれいな湧水だけになり、幸運なことに湧水はほどほどに温かいので、又再生するのではないかと思います。何百年か眠っていた藻が自然環境の中に生きて行ける場を見つけたのです。うれしいですね。

小川

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