「大家族ではどうして農薬を使わないのか、虫や病気が発生したら、どうするのか」と聞かれることがあります。答えは「どうもしません。どうしてそうなったかを考えます。すると、何が原因だったかがわかります。わからない時は、頭の中の質問箱に入れておきます。」
実際、その積み重ねで19年やってきました。そのおかげで自然界の仕組みや作物の性格がいろいろとわかってきました。そういう体験から、「農業は不断の学びと気づき」だと思います。それが楽しくてしょうがありません。
ただ、今のところ、大豆につく虫だけは、数百匹単位でやってきて、そのあまりの強烈な食欲で葉をすべて食い尽くしてしまうので、その光景を見ると呆然としてしまいます。それで、心を鬼にして全部手で捕まえて殺しています。ここでは私はまだ経験も勉強も足りません。ただ、どういうわけか全部の畑ではなくて、ほんの2,3枚の畑だけにその虫はやってきます。それが自然界の微妙なバランスなのかもしれません。
小川 誠