コンバインを考える その2

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コンバインは効率化と合理化を追求する現代稲作農業の革命児であり、救世主であり、最高傑作です。
しかし、私のところでは、体力の限界まで、あるいは時間の許す限り、コンバインは使いません。なぜかと言うと、大家族の設立の最大の目的は「市民と力を合わせて食糧危機を乗り越える」ことにあるからです。私は食糧危機は近いうちに確実に到来する不可避な事態だと捉えています。しかも、地球温暖化に伴って世界規模での異常気象が激化しつつある現在、食糧危機は一度だけではなくて、何度でも繰り返し生じることになっていくだろうと考えています。現代農業は石油依存農業なので、石油の輸入が途絶えたらたちまちにっちもさっちもいかなくなります。そこに世界的な食糧需給のひっ迫が重なったら、いくら金を積んでも、食糧は手に入らなくなるでしょう。泥沼化するシリア情勢が引き金となって、中近東戦争が勃発し、各国や投資ファンドなどが食糧の囲い込みをして、半ば人災でも食糧危機は起こりうるでしょう。この辺のことはもう皆さんも大体ご存知のことと思います。

いずれにせよ、そのように近い将来食糧危機が発生する可能性が高いので、大家族では出資者である市民を守るために、常にガソリンが入手できなくなった時に対応できるようにしておこうと考えています。ですから、今でも手植え、手刈りの田んぼもあります。そして、バインダーと脱穀機なら、コンバインよりはるかに石油消費量が少なくてすむので、それを基本にしています。
なお、「やってみ田んぼ」(田んぼの体験農園)を始めたのも、一般市民の中にも食糧危機に備えて自分の米は自分で作りたいと考えている人が増えているので、その夢の実現のために農家としてできる限りの協力をしたいと思って開設したものです。「やってみ田んぼ」では、一人で最大1反百姓、5畝百姓になることができ、すると1家族の一年分の米は十分確保できると思います。

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