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自然耕塾で種まき、苗代設置

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自然耕塾第2回目は、稲の種まきと苗箱の苗代での設置を行いました。最初に機械で種まきをして、次に手で播きました。 「毎年、手播きのほうは、播く人によって発芽率が良かったり、悪かったり、大きな差がでますからね!」とちょっと脅して(?)、「これで大丈夫だろうかという不安や、悲しい想いで播くと発芽率が悪くなって、生育にも影響がでるので、平常心で播いてください。」                         それを聞いて、塾生は無言で、真剣に種を播いていました。 こんな感じになります。

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薄播きで、人間の居住空間に譬えると、5LDKぐらいにゆったりとしています。そこで太陽の光をたっぷりを浴びて、寒さの中で鍛えられて、逞しい苗に育ちます。                              その上に土をかけて完成です。午後は、その苗箱を苗代に設置しました。

そのあとで、講義に夢中になっていたら、4時半になってしまっていました。塾生のみなさん、遅くまでお疲れ様でした。

小川

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アオサギの遣い

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住宅地のど真ん中にある私の家の屋根にまたアオサギがやってきた。これで4度目だ。アオサギはとても警戒心の強い鳥で、たいてい50mぐらいまで近づくと、すぐに逃げて行ってしまう。ところが、窓辺でアオサギを見ている私との距離はせいぜい6mぐらいしかない。私に気づいている素振りは見せない。そこに、2分ぐらい立ち尽くしていただろうか。そのあと、やおら飛び立っていった。

写真よりもっと大きなアオサギが私の目の前に降り立ったのは、もう5年ほど前のことだ。その頃、私は大家族の仲間と一緒に耕作放棄地を開墾して田んぼ地帯をそっくり復活させた。

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そこに冬期湛水(一年中水を張ること)して、生物多様性のある田んぼ環境に作り変えることを考えて、ちょうどその原稿を書き終えたときだった。アオサギが屋根に降り立ったのは。私とアオサギの距離は3,4mしかなかったが、アオサギは横顔を見せてたたずみ、やはり私に気づいた様子はなかった。 近くで見ると、とても美しい鳥だった。アオサギは一分ほどで飛び去った。

2度目にアオサギがやってきたのも、やはりその田んぼ地帯の環境再生のことに思いを巡らせていた時だった。やはり距離は3,4mしかなかった。そのときは、庭にまで降りてしばらく庭を歩きまわっていたので、本当に驚いた。

3度目の時もやはり私に横顔を見せてたたずんでいた。決して目を合わせようとはしない。しかし、たとえ窓の中側とはいえ、これだけ至近距離だ。用心深いアオサギが私に気づいていないはずはないと思うのだ。

今、開墾したその田んぼ地帯には行くと必ずと言っていいほどアオサギ(かシロサギ)が1羽ないし2羽いる。つまり、そこはアオサギの格好の餌場になっている。

不思議だ。アオサギのやってくる謎は解けない。ただ、その田んぼ地帯を水田に戻したことと無関係ではないように感じている。

 

 

 

稲の種まき

稲の種蒔き

 

とうとう今年もまた稲の種蒔きの季節がやってきました。

今年は苗箱にして約450枚に種を蒔きます。昨日は専用種蒔き機で200枚に種を播きました。

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この作業は一年に2,3回しかなく、しかも大量にこなすので、とても神経を使う作業です。

撒き終ったあとは、苗箱を田んぼまで運んで、苗代に並べました。

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今どき、苗代で苗を育てる農家はほとんどいません。大家族では敢えて危険を犯して自然の寒さの中で苗を鍛えています。そうすることで、病虫害だけでなく、猛暑や冷害などの気候変動にも強い苗になります。そして、とても生命力のあるお米ができます。

今年は、「やってみ田んぼ」(田んぼの体験農園)の参加者が積極的で、5人が種蒔き体験に来ました。お蔭様で、作業はとても順調に行きました。

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正直であること

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正直であることが何と難しい時代でしょうか。でも、まだまだ世の中捨てたものではありません。
みなさんは写真のように「虫食いあり」と書かれたラベルの付いたトウモロコシを買う気になりますか。あるいは、「虫食いなし?」ならどうでしょうか。有機栽培でトウモロコシを作ると、7月半ば以降はどうしても虫が入ってしまいます。虫が入ってしまたら、売り物にならないというのが、農家の常識であり、普通そんなトウモロコシは消費者も買う気にならないでしょう。でも、虫をどければ、まだ99%の粒は食べられるのです。しかも、柔らかくて、優しい自然な甘味があります。それでも捨てなければならないのか。毎年抱える悩みです。

去年は悩んだ末、思い切って、正直に「虫食いあり」とラベルを張って、通常価格より40円安くしてお店に並べてみました。虫食いのサンプルも虫食いの状態が見えるようにして、そばに並べてみました。その時の気分と言ったら、もうちょっと裁判所の法廷で被告席に立ったような感じですね。お客さんから総スカンを食らったらどうしようか。どのような非難の声が殺到するのか。

ひやひやどきどきしながら、次の日売り場に行ってみました。すると、トウモロコシは跡形もありません。どうしたのだろうと思って、店員に聞いてみると、「全部売れた」とのこと。「本当ですか?」とうれしさを堪えてこう返事をしました。しかし、まだわかりません。実際、買った人が食べてみて、どんな感想を抱くのか? お店に怒鳴り込んでくる人はいないだろうか・・・。判決を待つ状態がまだ続きます。それでも、トウモロコシはどんどんなりますから、勇気を出して、2回目、3回目と、「虫食いあり」と「虫食いなし?」とうもろこしをお店に並べました。虫が2匹以上いない物を”厳選”したつもりですが、保証はありません。とんでもないことをする農家ですよね!

その結果はというと、とてもよく売れました!そして、一切苦情なし!これには感動しました。消費者は「虫食いトウモロコシ」を受け入れてくれたのです!本当に安全な食べ物を求めている人は、「虫食いなら、間違いなく安全だ」とでも思ってくれるんでしょうか。ありがたいことです。

苦労したのは、いったい何匹の虫がくらいついているのかを見つけることでした。でも、そのお陰様で、虫の食いつき方にも特徴があることがわかりました。それで、虫を上手にどけて、後半は「虫食いなし?」が増やせてよかったです。

でも、この一件、お店のある店員は正直に「ちょっといやですねえ。」と感想をもらしていました。それも無理もないことで、お店の度量の大きいのにも感謝しました
そんなことを思い出しながら、今年のトウモロコシの種まきが始まりました。
小川

春の目覚め

冬期湛水の田んぼ際に今、こぶしの花が咲いています。
この花が咲くころ、水の中ではミジンコが猛烈に
動き出します。カエルも目を覚まします。つばめが
やってきます。そうして、自然が目を覚まします。
すると、冬の間眠っていた私の体も
春の目覚めを感じるのです。
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小川

ハウスで種まき

ビニールハウスが再建されてから、1か月がたちました。ハウス内は昔のように雑然として生活の場となりました。いま、奥のほうで苗床を作って、種まきをしたところです。カボチャ、キュウリ、メロン、まくわ瓜、ズッキーニ、トウガンなどを播きました。去年は潰れたハウスの中で苗作りは全部失敗しました。今年は絶対成功させなくちゃ!150327_1646~01

小川

私にできる平和運動ってなんだろう?

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私にできる平和運動ってなんだろう?

よくそう自分に問いかける。

平和な日本でできる平和運動って何だろうかと。

今、持っている答えはこうだ。

一番大切なことは戦争で実際何があったのか、

その事実を学び続けることだ。

それは一年にたった一回でもいい。

例えば、

8月15日に第二次世界大戦で日本軍がどこで何をしたのか、

アジア諸国は日本軍によってどのような災禍を被ったのか、

アジアの民衆はどのような苦痛と恐怖に苛まされたのか、

日本国民は、どのような我慢を強いられたのか、

沖縄市民はどのような犠牲を強いられたのか、

残虐な軍事行動の中にあって、

誰がどのように高潔で、人道的な行動を取ったのか、

たった一つでいいから

自分がまだ知らない新しい事実を正確に知ることだ。

それを知ったなら、

こんなことは二度と繰り返してはならないと、

自分に言い聞かせることだ。

その文字を自分の魂に刻むことだ。

それだけでも、10年生きれば10回の戦争追体験ができる。

こんなことは二度と繰り返してはならないと、

10回自分の魂に深く刻み込めば、

そこに反戦のエネルギーが蓄積されるようになる。

20年続ければ、刻むたびに痛みを覚える私の魂の

反戦エネルギーはさらに倍増する。

そうすれば、

いざという時に、

私の魂に刻み込まれた反戦エネルギーは

必ずや毅然として、猛然として、

断固たる戦争阻止の行動を取ると

信じている。

そのときが私の平和のための実力行使の時だ。

 

機会があって、長崎へ行ったついでに、原爆資料館に立ち寄った。その前に立つ像に心が引かれた。

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原爆で犠牲になった人たちの中に、5800名の児童、工場に勤務していた1800名の生徒、そして百数十名の教師がいたそうだ。その人たちのために建てられた像だ。

小川

いのちいきいき米のお試しを!

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大家族では食育に貢献するという思いで、                 ①生命力があって、                               ②おいしい                                     お米や大豆や野菜作りを心がけています。人間はもちろんのこと、他の生き物までも命が生き生きするような米作りを心がけるという想いで、「いのちいきいき米」と名付けました。

いのちいきいき米は通常価格は
玄米5kg 3,720円(消費税込み、送料別途)です。
今回、お試し価格として、初めての方に限り、5月末まで1割引きで提供させていただきます。

お試し価格
玄米5kg         3,340円                       五分搗き・白米5kg  3,670円                      また、初めての方に限り、半年(10月まで)25㎏以上ご注文予約の場合、5%引きとさせていただきます。                        品種は神奈川県農業技術センターが推奨する さとじまん です。大粒で、香りがとてもよく、コシヒカリの血を継いで、味もとてもよいです。
送料は以下の通りです。
●関東、信越、東海、宮城、山形、福島  450円
●関西、中国  650円
●四国     750円
●九州、北海道 850円
ご注文は「いのちいきいき米」のページにあるメールで、住所、名前、電話番号、注文内容を明記のうえ、ご連絡ください。折り返し、振込先を明記した注文書をお送りいたします。
振り込みを確認次第、商品を発送させていただきます。
ご不明の点は、遠慮なくお問い合わせください。

合資会社 大家族 小川 誠

化学農法と有機農法の間に橋は懸るか

きのうのいのちいきいき栽培研修会では、化学農法(慣行農法)を実践する農業者と有機農法を実践する農業者は話が噛みあうのか、同じ土俵で相撲が取れるのかという点について、私の考えを述べさせてもらいました。ずっと昔からそのことについて考えてきましたが、私は次のような結論を出しています。

人間の世界では、20回農薬をかけていた農家が10回に減らしたら、「特別栽培」と表示することができます。それは「安全で安全な作物」です。4回農薬をかけていた農家が2回に減らしても同じです。一方、一切農薬も化学肥料も使わないで、とても安全な農作物を育てても、有機JAS認証を取らないと、有機栽培とか有機農法とか表示してはいけません。それも「特別栽培」とみなされます。その傍に、「栽培期間中、農薬・化学肥料不使用」と表示することは認められています。ですから、私の有機栽培の作物も「特別栽培」と表示することになります。有機栽培をしているのに、有機栽培と表示できないことに言論統制をされているかのような窮屈さを感じています。農薬を使ってある農作物と同じ枠(カテゴリー)の中に入れられてしまうことにも違和感を覚えます。ただ、そのことについては、ここではこれ以上突っ込みません。

ということで、化学農法農家と有機栽培農家は、心情的に、また理性的に、互いを認め合い、融和を図ることはできます。しかし、ほとんどの場合、本音の部分では、話は噛み合いません。なぜなら、双方が立っている土俵が異なるからです。それぞれの土俵には異なった決まり(ルール)があります。化学農法の土俵には農家中心、農家優先の決まり(ルール)があります。有機農法の土俵には、農家と生き物たちとの共生の決まりがあります。こうして、土俵が違うし、決まりも違うので、話が噛み合わないのです。

では、生きものの側から見たら、どうでしょうか。10回農薬をかける農家が畑に入ってきたら、きっとバッタもミミズも微生物もその足音を聞いただけで震え上がることでしょう。なにしろ、大量殺戮兵器を持った恐るべき敵が侵入してきたわけですから。年にたった1回しか農薬を使わない農家だとしても、彼らは震え上がるに違いありません。          一方、有機栽培農家が畑に入ってくると、害虫とみなされている虫は警戒するでしょう。もしかすると、「自然農薬」をかけられたり、指でつままれたりするかもしれないからです。しかし、微生物や普通の虫や益虫、小動物などは普通に生活を続けることでしょう。彼らはもしかしたたら、有機栽培農家の足音を好感を持って聞いているかもしれません。そして、自然農法で生き物と共生しようと思っている農家が畑に来たら、ほとんど全ての生き物はその農家に「いらっしゃい」と声をかけて、普通に生活を続けるだろうと思います。

このように考えると、生きものの側からすれば、農薬を1回かける農家も10回かける農家も大量殺戮兵器を有する敵です。一方、有機栽培農家は味方か、そうでないにしても許せる相手だと思うことでしょう。生き物たちは間違いなく化学農法農家と有機農法農家を峻別していると思います。彼らからすれば、化学農法(慣行農法)と有機農法の間に懸ける橋は全くないと断言すると思います。

私は、環境の世紀、21世紀は、このような生き物の立場から考えることが非常に大切だと思います。私は「生き物の側に立つ」、「自然の側に立つ」、「生き物の視点で考える」ことを基本としています。

小川 誠

畑の研修会 始まる!

今日から今年で第6回目になるいのちいきいき栽培研修会(「和み農」研修会)が始まりました。

この研修会では終日の場合、毎回2時間程度の講義をしてから耕さない畑と普通に耕す畑と両方で野菜の栽培方法を学びます。両者は栽培方法がかなり違います。だから、最初は頭が混乱します。でも、それを乗り越えると、両者に共通するものが見えてきます。すなわち、土地とは何か、水とは何か、この作物の本性は何か、栽培するとはどういうことかとなどなど、普通より一歩深い世界、一歩踏み込んだ世界が見えてきます。

初回の実習では、農業の基本中の基本、すなわち、鍬で耕すことを体得してもらいます。みなさん、初体験でしたが、3~40分やると、けっこうさまになっていました。耕すことは毎年やりますが、不耕起栽培を希望している人でも、耕した後で聞くと、決まって耕すことは楽しいと言うので、面白いです。

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そのあと、じゃがいもの植え付け作業をやりました。最初に耕す畑でやって、それから、耕さない畑でもやりました。その作業のやり方があまりに違うので、みなさん、驚いていました。後者は耕さないので、あっという間に終わってしまいます。

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(左は耕した畑で種に土をかぶせているところ。右は耕さない畑で種を植えているところ)

そして、これからどんどん種まきや定植をしていく不耕起の畑で畝を立てました。

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普通の畑では左の状態で終わりです。しかし、不耕起栽培ではその上に枯草をしいて、自然な草地に近づけます。

講義では、なぜ耕すのか、またなぜ耕さないのか、農耕文明史の中で考えました。また、なぜ農薬は使わないのか、化学農法と有機栽培の違いは何かなどについて考察を加えました。

研修はまだ始まったばかりです。興味のあるかたはどうぞ次回からご参加ください。

小川