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ハクビシンとのトウモロコシの分かち合い(まとめ)

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丁度1か月前から始まったトウモロコシの収穫がほぼ終わりました。

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その間ずっとハクビシンとトウモロコシを分かち合ってきました。その結果は

次の通りです。

販売用の収穫総数   614本

ハクビシン用      89本

合計       703本

ハクビシンが勝手にもいで食べたもの総数  10本程度

 

ハクビシン用には虫食いのものや小さくて売り物にならない物をもいで、全部皮をむいて土に差したり、土の上に置いたりしてきました。

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その9割ぐらいをハクビシンは食べてくれました。ハクビシンが勝手にもいで食べたものも小さめのものがほとんどでした。食べた量から判断して、食べに来ているハクビシンは多分1匹だけだと思います。こうして、ハクビシンの協力によって販売に向いたトウモロコシはほぼ100%収穫できたと言っていいと思います。

 

畑では毎回必ず畑を浄めてから、主の神様に感謝の祈りを捧げ、最後の一本の収穫が終わるまでハクビシンとの分かち合いを続けさせていただけますようにと、祈りを捧げました。

時々は、日本人が自分勝手にハクビシンを台湾や中国から日本に連れてきて、用がなくなったら、野山に捨ててしまったことと、いまだにそうしていることを深くお詫びしました。そして、毎回ハクビシンのためのトウモロコシを用意した後で、ハクビシンに向けて頭の中でハクビシンに語りかけました。つまり念じました。販売用のトウモロコシを荒らさないで残しておいてくれてありがとう、今日もトウモロコシを用意したので食べてください、足りなかったら、勝手にもいでたべてください、と。

 

今年でハクビシンとのトウモロコシの分かち合いは、3年目になりますが、初めから終わりまで非常に順調に行きました。ハクビシンはほぼ完全に私に協力してくれました。こういう言葉が当たっているかどうかわかりませんが、私もハクビシンもお互いを信頼し合っていると思います。また互いにその信頼に応えるように努めてきました。だから、そこには友情に近いものが生まれていると思います。まだ一度も会ったことはありませんが。

 

このような経験から皆さんにお伝えしたいことは、次のようなことです。去年とほとんど重複しますが、大切なことなので、また書かせていただきます。

(1)ハクビシンについて

  1. ハクビシンが畑を荒らす理由は、日本人に怒りを抱いているからです。勝手に日本に連れてきて、不要になったら、ペットに飽きたら、野山にポイ捨て同然に放棄した自己中心的で、身勝手な行動に憤りを感じているからです。
  2. ハクビシンは栽培者が考えていることを全部知っています。心が読めるのです。(mind-reading)それで、日本人に復讐するために、栽培者が収穫しようと思った、その時を狙って作物を荒らすのです。
  3. 私たち日本人が天地創造の神様にハクビシンに対して行ったむごい仕打ちをお詫びして、ハクビシンにもお詫びして、ハクビシンに仲良くしていこうと語りかければ、ハクビシンは私たちを許すかどうかはわかりませんが、仲良くする気持ちは持っています。そのことがこの3年間の私の実践で裏付けられたことです。

(2)天地創造神に対するお詫び

自然の背後には天地創造神が決めた厳粛なる掟があって、人も 動物も本来はそれを守らなければいけないようになっていると感じます。それを真っ先に犯したのが日本人です。つまり、日本人には生態系を撹乱した罪があるのだと思います。これは私の信仰から出た想い込みではなくて、〈厳粛なる掟〉がそうなっているということです。ですから、まずは私たち日本人が天地創造の神様に、その掟を破った罪に対して、真剣にお詫びをする必要があると思います。そして、同時にハクビシンにもお詫びをしないといけないのだと思います。そこを外しては、ハクビシンの怒りは収まらないだろうと思います。

 

全国的に年々獣害はひどくなっています。総被害額は500億を超えたと聞いたことがあります。その本当の原因は一体どこにあるのでしょうか。この報告書が今まで光が当たらなかった箇所に少しでも光を当てることができたなら、幸いです。

 

学生さん、とても頑張りました!

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東京家政大学の環境教育学科の野外授業「耕さない田んぼの米作り」2回目は田んぼの草取りです。学校の米作り体験というと、ほとんどが田植えと稲刈りに決まっています。しかし、それでは農家の大変さはわかりません。なので、このコースでは草取りもするという条件でお引き受けしています。

梅雨の合間の晴れた午後、とてもすがすがしい風の吹く中、約70名の学生が草ぼうぼうになった不耕起の田んぼに草取りに励みました。

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今年の学生は今までで一番上手に草をとってくれて、2時間後には田んぼはとてもきれいになりました。

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終了後に学生さんの感想を聞くと、皆さん「疲れました」とか「大変でした」と一言で答えていましたが、一人だけ「こんなに大変なんだということが分かって、お米を食べられるありがたさがわかりました。」と答えていました。多分他の学生さんも心の中では同じようなことを感じてくれただろうと思います。

東京家政大学の皆さん、大変お疲れ様でした!

草取りの前と後にお話をする時間もいただいています。今回は、時事問題として激増する害獣被害を取り上げ、その解決策の一つとして実際に私の畑で今進行中の「ハクビシンとの共生」について報告させてもらいました。学生さんはとても熱心に耳を傾けてくれていたので、きっと「害獣即駆除」という短絡的で、自己中心的な解決策ではなく、21世紀二ふさわしい、生き物との共存共栄の解決策があるんだということを感じてもらえたことと思います。

また、農薬がなぜ必需品で、農家にとって救世主なのか、そしてそれにもかかわらず今日のような作業を延々とやる道を選んだのか、説明させていただきました。

小川

ハクビシンは待っていてくれた!

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3週間ぶりにトウモロコシ畑に行って、とても驚きました。防鳥網もかけてなかったのに、トウモロコシは全然荒らされていなかったからです!しかも、そこにはもう収穫できるものがたくさんありました。そこはハクビシンが出没する地域なのですが。

それで遅ればせながら、手を合わせて、天に思いをはせて、主の神様にトウモロコシを守っていただいたことに対して深い感謝の祈りを捧げました。そして、畑を浄めて、「今年もまたハクビシンとトウモロコシを分かち合うことが許されますように。カラスから引き続きお守りいただけますように。」と真剣に祈りました。

その日は30本ぐらいが収穫できて、ハクビシンのために3本だけ皮をむいて畑の中に立てかけました。そして、2度以下のように念じました。

「ハクビシンさん、この近くに棲んでいるハクビシンさん、去年はトウモロコシを分かち合うことができて、とてもうれしかったです。今年はトウモロコシがもう食べられるのに、今まで何も手を付けないでいてくれて、ありがとうございました。今日から最後の収穫が終わるまで、またトウモロコシを分かちあうことができれば、とてもうれしいです。」

 

そして、二日後の今日そのトウモロコシ畑に行ってみると、一番道路側のトウモロコシ4列の一番手前にある3本が荒らされていました。それを見て「やられたか!」と一瞬ドキッとしましたが、中をよく見て回ると、それ以外には一本も荒らされていませんでした。そして、驚くべきことに、立てかけておいたトウモロコシ3本はきれいに食べつくしてあったのです。

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その瞬間、道路側で荒らされた3本のトウモロコシの意味がわかりました。ハクビシンは自分が来たことを私にわからせたくて、道路からでも見えるところのトウモロコシをそれ軽くひっかいておいたのです。間違いありません。

 

この一連の出来事から私は思いました。

〈自分の念はハクビシンに通じた。間違いなく通じた。ハクビシンは去年のことを忘れずに、私に礼を尽くして、私が畑に来るまで一本も食べないで我慢していてくれたのだ。なんという律儀なハクビシンなんだ。〉そう思うと、もううれしくてうれしくて、浮足立ち、感動で心がぽかぽかしてきました。

 

お蔭さまで、今日は40本ぐらい収穫ができました。

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今日は10本皮をむいて立てかけておきました。そしてハクビシンに念を送って、その旨を伝えました。

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なお、去年のことをお知りになりたい方は、以下ブログをご一読ください。

ハクビシンとの共生の試み

小川

 

 

いのちいきいき米の年間購入の受付開始

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(元気に生育する今年の稲)

今年も年間の注文の受付を開始しました。

「すべての生き物との共生」を目指し、本当の安全とおいしさを目指す大家族のお米は、田んぼの生き物たちの豊かさが作り出す、命がぴちぴちしたお米です。ぜひお試しいただけますよう、ご案内方々、お願い申し上げます。

 

なお、詳しくは当ホームページの「いのちいきいき米」のコーナーをご覧ください。

 

申し込み書もそこからダウンロードできます。特に不耕起・冬期湛水のお米をお求めの方は、毎年すぐ予約がいっぱいになってしまいますので、早めのご予約をお勧めします。

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(この水田地帯に大家族の田んぼが20枚以上あります。

そのほとんどが耕作放棄地を再生した田んぼです。)

小川

 

有機栽培とは草取りと見付けたり

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「武士道と云うは、死ぬことと見付けたり」という、有名な一説が『葉隠れ』にありますが、それをもじって「有機栽培とは、草取りと見付けたり」とちょっと気取って言えば、この時期、多くの有機農家からは共感を得られるでしょう。しかし、別の農家からは「わかりきったことを言うな! 黙って草を取ればいんだ!」とどやされるかもしれません。それほど、草に圧倒され、唖然とさせられるのが今の時期です。

私のところでも、田植えに専念していたほんの3週間の間に、あちこちの畑では写真のように草ぼうぼうになってしまっています。

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ここも何が植わっているのか、よく見ないとわかりません。

そこで、リアンの皆さんの力をお借りして、昨日は総力戦で草取りに挑みました。幸い、草はまだなんとか手で引き抜くことができたので、半日できれいにすることができました。

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取った草で作り上げたオブジェをご覧ください。

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題して、「草のピラミッド」。こうすると、ちょっとは苦労も報われる気がします。

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リアンの皆さん、今日はお疲れ様でした。

苗代作り

 

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苗代作りを始めました。大家族独自の方法で作っています。

昨日は草ぼうぼうの不耕起の田んぼの草をきれいに刈って、草をどけて、溝を切るところまで出来上がりました。掘った溝に、水を入れると、「いよいよだなあ」と体が引き締まるのを感じます。

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これに要した時間は人工(にんく)で25時間。かなりの労力を要する作業です。

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明日は苗代を均平にする大事な仕上げの作業を行う予定です。

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今ではすたれてしまった苗代作り。稲の苗作りは今ではほとんどの場合ビニールハウスで行われます。

今、苗代が大変重要な役割を果たしている可能性が見えてきました。私の田んぼで起きている稲の多年草化に寄与している可能性があるのです。

稲の多年草化に関心がおありの方は、ぜひ今年の自然耕塾にご参加ください。

米作りは今全く未知の新しい次元に上昇し始めているのを実感していただけるだろうと思います。

大家族 小川 誠

 

 

 

レアな不耕起・有機栽培のお米、いかがですか?

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不耕起栽培の有機米はまず市場にはないお米で、探しても滅多に手に入らないお米です。供給量が非常にわずかしかないからです。不耕起栽培の「いのちいきいき米」は文字通り、生命力に満ちたお米です。しかし、そのために、熟成させないと味としてまとまりません。立春をすぎたころから、ようやくその本来のおいしさが味わえるようになります。 今は一番おいしい季節に差し掛かっています。よろしかったら、ぜひお試しください。

玄米 5㎏ 3,700円 白米 4,070円

送料

関東・甲信越・東海・北陸・南東北  450円

北東北・四国・中国 650円

九州・北海道 700円

注文は、facebookのメッセージで、あるいは以下のメール、あるいはファックスで、

住所、氏名、注文の品、数量、そして配達時間や日にちの指定があればそれも併せて書いて、ご注文ください。

メール:daichitotomoni@gmail.com

ファックス:042-757-7163

受注後、4日以内に発送いたします。

小川

私は2歳の稲です。

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「私は2歳の稲です。名前はまだありません。2年前にこの田んぼで生まれ、寒さの中で鍛えられて、冬を越す能力を身に付けた稲です。今年もまたこれから元気にここで生長していきたいと思います。そして、活発に株分かれをして、秋には噴水のような穂を垂らしたいと思います。」

普通の苗より1か月以上も早く芽を出した2歳の稲を見ていると、そのような抱負を語っているような気がしてきます。

稲を指して1歳とか2歳とか呼ぶことは聞いたことがないでしょうが、大家族の不耕起冬期湛水の田んぼでは今年から稲の年齢に応じてそう呼ぶことにしました。それぞれに名前も付けようかなと考えています。

さて、どうやったら、そのような多年草化稲になるのでしょうか。様々な条件がありますが、強靭な苗を作ることが一つの重要な条件になります。私はそのような苗を殿様苗と呼んでいます。殿様苗は普通の苗とは別格の、驚くべき能力を備えた苗です。下の写真は普通の田んぼに植えた去年の殿様苗の実りの姿です。

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10日の自然耕塾では、多年草化した種籾も使って種まき実習をし、苗作りについて学び合います。

関心おありの方はどうぞ自然耕塾にお越しください。

小川

小さな工夫で人手が半分になった

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お日様の下で稲の種籾の選別作業を丸一日やりました。そして35㎏が用意できました。
午前中はご覧のとおり、二人でその作業をやっていましたが、午後は写真にあるように一人ででもできるようになりました。

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どうしてかというと、袋を支えるちょっとした型枠のようなものを針金で作って、袋をバケツに固定できたからです。たったそれだけのことで一人でもできるようになって、労働力が半分で済むようになりました。やったね!と気分がよかったです。

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では、どうしてそのような枠を考え付いたのかと言うと、私が袋を広げて持つ番になって、
「ずっとこれやるの?結構きついな。」
と思ったのがきっかけでした。それで針金を持って来て適当に型枠みたいなものを作って、その枠を支えることを考えてできたのが写真にある針金治具です。
我ながら面白いと思うのは、私はこの作業を10年以上、つまり10回以上もやっているのですが、型枠を作るという発想は今まで全然閃いたことがありませんでした。だから、いつもこの作業は二人以上でやってきました。
この例のように、何でもどんな役でも自分でやってみるものですね。自分でやったら、人の辛さがわかる。そして、その場でいいアイデアが思いつくなんてことがあるんですね。いい教訓になりました

小川

 

不耕起の畑と耕起の畑の野菜を比べてみる

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いのちいきいき栽培研修会の初日は天気予報に反して北風が吹き、雲間が切れない、とても寒い一日でした。
それでも参加者のやる気は満々だったので、寒さを吹き飛ばして頑張りました。
とにかく不耕起と耕起で何がどう違うのか感じてもらおうと、わさび菜やホウレン草の葉っぱや白菜やブロッコリーの蕾を食べてもらい、キャベツやブロッコリーの大きさなどを比べてもらいました。

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みなさん、不耕起の野菜は香りが強いことに驚いていました。また、キャベツやブロッコリーは耕起のほうがずっと実が大きいことに感嘆の声が上がっていました。

また、草と野菜の共生する不耕起の畑の様子は耕起畑では見られません。でも不耕起の畑でも肥料のいる野菜といらない野菜があることや、同じ草でも外来種の牧草には太刀打ちできないことも説明しました。

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そして、初回の定番ですが、鍬で耕す練習をして、その感触を感じていただき、そこへジャガイモを植えました。ある主婦の方は「楽しい、楽しい」と連発していました。

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午後は、寒さを逃れるためビニールハウスのあるところまで移動して、講義をしました。ハウスにはちょうど野菜の苗のポットが温床に並べたばかりだったので、その様子を見てもらうことができてタイミングがよかったです。
お土産に不耕起の大根とキャベツと玉ねぎヌボーを持って帰っていただきました。

小川