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レアな不耕起・有機栽培のお米、いかがですか?

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不耕起栽培の有機米はまず市場にはないお米で、探しても滅多に手に入らないお米です。供給量が非常にわずかしかないからです。不耕起栽培の「いのちいきいき米」は文字通り、生命力に満ちたお米です。しかし、そのために、熟成させないと味としてまとまりません。立春をすぎたころから、ようやくその本来のおいしさが味わえるようになります。 今は一番おいしい季節に差し掛かっています。よろしかったら、ぜひお試しください。

玄米 5㎏ 3,700円 白米 4,070円

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関東・甲信越・東海・北陸・南東北  450円

北東北・四国・中国 650円

九州・北海道 700円

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小川

私は2歳の稲です。

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「私は2歳の稲です。名前はまだありません。2年前にこの田んぼで生まれ、寒さの中で鍛えられて、冬を越す能力を身に付けた稲です。今年もまたこれから元気にここで生長していきたいと思います。そして、活発に株分かれをして、秋には噴水のような穂を垂らしたいと思います。」

普通の苗より1か月以上も早く芽を出した2歳の稲を見ていると、そのような抱負を語っているような気がしてきます。

稲を指して1歳とか2歳とか呼ぶことは聞いたことがないでしょうが、大家族の不耕起冬期湛水の田んぼでは今年から稲の年齢に応じてそう呼ぶことにしました。それぞれに名前も付けようかなと考えています。

さて、どうやったら、そのような多年草化稲になるのでしょうか。様々な条件がありますが、強靭な苗を作ることが一つの重要な条件になります。私はそのような苗を殿様苗と呼んでいます。殿様苗は普通の苗とは別格の、驚くべき能力を備えた苗です。下の写真は普通の田んぼに植えた去年の殿様苗の実りの姿です。

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10日の自然耕塾では、多年草化した種籾も使って種まき実習をし、苗作りについて学び合います。

関心おありの方はどうぞ自然耕塾にお越しください。

小川

小さな工夫で人手が半分になった

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お日様の下で稲の種籾の選別作業を丸一日やりました。そして35㎏が用意できました。
午前中はご覧のとおり、二人でその作業をやっていましたが、午後は写真にあるように一人ででもできるようになりました。

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どうしてかというと、袋を支えるちょっとした型枠のようなものを針金で作って、袋をバケツに固定できたからです。たったそれだけのことで一人でもできるようになって、労働力が半分で済むようになりました。やったね!と気分がよかったです。

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では、どうしてそのような枠を考え付いたのかと言うと、私が袋を広げて持つ番になって、
「ずっとこれやるの?結構きついな。」
と思ったのがきっかけでした。それで針金を持って来て適当に型枠みたいなものを作って、その枠を支えることを考えてできたのが写真にある針金治具です。
我ながら面白いと思うのは、私はこの作業を10年以上、つまり10回以上もやっているのですが、型枠を作るという発想は今まで全然閃いたことがありませんでした。だから、いつもこの作業は二人以上でやってきました。
この例のように、何でもどんな役でも自分でやってみるものですね。自分でやったら、人の辛さがわかる。そして、その場でいいアイデアが思いつくなんてことがあるんですね。いい教訓になりました

小川

 

不耕起の畑と耕起の畑の野菜を比べてみる

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いのちいきいき栽培研修会の初日は天気予報に反して北風が吹き、雲間が切れない、とても寒い一日でした。
それでも参加者のやる気は満々だったので、寒さを吹き飛ばして頑張りました。
とにかく不耕起と耕起で何がどう違うのか感じてもらおうと、わさび菜やホウレン草の葉っぱや白菜やブロッコリーの蕾を食べてもらい、キャベツやブロッコリーの大きさなどを比べてもらいました。

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みなさん、不耕起の野菜は香りが強いことに驚いていました。また、キャベツやブロッコリーは耕起のほうがずっと実が大きいことに感嘆の声が上がっていました。

また、草と野菜の共生する不耕起の畑の様子は耕起畑では見られません。でも不耕起の畑でも肥料のいる野菜といらない野菜があることや、同じ草でも外来種の牧草には太刀打ちできないことも説明しました。

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そして、初回の定番ですが、鍬で耕す練習をして、その感触を感じていただき、そこへジャガイモを植えました。ある主婦の方は「楽しい、楽しい」と連発していました。

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午後は、寒さを逃れるためビニールハウスのあるところまで移動して、講義をしました。ハウスにはちょうど野菜の苗のポットが温床に並べたばかりだったので、その様子を見てもらうことができてタイミングがよかったです。
お土産に不耕起の大根とキャベツと玉ねぎヌボーを持って帰っていただきました。

小川

自然耕塾、始まる

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不耕起・冬期湛水で生物多様性を育くむ米作りについて学ぶ自然耕塾が始まりました。今年で6年目になります。今年はすでにご案内の通り、稲の多年草化現象が起こっているので、そのメカニズムを解明して、多年草化の技術化の可能性を追究するという、ひょっとすると日本で初めての挑戦をします。

そこの田んぼにはすでに耕さない田んぼにしか出現しないサヤミドロと言う、珍しい藻が出始めています。そして、つい最近確認された、イチョウウキゴケという絶滅危惧種II類の浮草も少しずつ増えてきました。

そして、5枚ある田んぼから無作為で稲の株のサンプルを掘って取り出して調べてみたところ、全ての稲株がまだ生きていることが確認されました。

4殿様苗の田んぼの稲の株

参加者の皆さんは初めて目にする、冬越しの稲の株を不思議そうに見入っていました。
季節はもうすでに春めいてきているので、おそらくそれらの稲は多年草化するのではないかと思われます。とすると、今年の田んぼは多年草化した稲だらけになるかもしれません。
それで、私は
「みなさん、これでは今年は田植えができなくなってしまいますねえ!」と言ったら、  大笑いしていました。
いやあ、本当にどうなることやら。田んぼから目が離せなくなりそうです。

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講座では多年草化を可能とした岩沢信夫先生の「寒さの中で鍛える苗作り」について次回以降詳しく学びます。
関心おありの方は、まだ遅くありませんので、ぜひ次回からご参加ください。全11回で、 11月まで月1~2回のペースで行います。
詳しくは「自然耕塾」をご覧ください。

 

小川

固定種のキャベツ

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以前、株元に藁を敷いたキャベツが「ぬくい、ぬくい」と言ってるようだとのお話をさせていただきました。そのキャベツがいよいよ収穫期に入りました。形もいいし、シャキシャキなのができました。味も申し分ありません。

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ただ、ご覧の通りで、大きいの小さいのと、大きさがまちまちです。それがまさに固定種の特徴であって、生物多様性と言う観点から言えば、当たり前のことだし、いいことに違いありません。全部が同じ形で同じ大きさのF1と大きく異なるところです。
「本当に安全なら、必ず価値がある。付けられる値段がある。」と考えています。それで、このような大きさのバラバラなキャベツ売るときは、重さに応じて異なった値段を付けています。
この売り方の利点は、お客さんにとって公平なことです。それから、お客さんは必要に応じてちょうどいい大きさを選べることです
おかげさまで、お店に持っていくキャベツはいつもとてもよく売れています。ありがたいことです。

小川

 

 

準絶滅危惧種のイチョウ     ウキゴケが復活

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不耕起冬期湛水の田んぼに突然出現した新しい浮きゴケ。
写真を撮って調べたら、イチョウウキゴケというのがその名前で、準絶滅危惧種(NT)だということがわかりました。
これはまた貴重な植物が復活したものです!
ばんざ~い!ばんざ~い!

でも、どうして田んぼ再生して7年目もたってから出現するのでしょうか?
自然って、本当に不思議です。不耕起冬期湛水の田んぼは神秘に満ちています。
稲は多年草化するし、絶滅危惧種IB類のほとけどじょうは
大繁殖するし、本当にわくわくどきどきします。
私の恩師、岩沢信夫先生から伝わったのは、実にこのわくわくドキドキ感でした。

小川

『命の種を抱きしめて』

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バンダナ・シバさんの主張の一つである「種の自由」という考え方は日本人にはまだ馴染みが少ないです。今日はちょっとこのことをご紹介したいと思います。

バンダナ・シバさんは今のままでいったら、いつしか私たちが使える種は世界中どこに行っても全てグローバル企業の遺伝子組み換え種になってしまうと考えています。「種」は、かつてガンジーが1世紀前に「塩」を求めてイギリス政府の独占に対して非暴力・不服従運動を起こしたように、塩と同じくらい重要な物だと考えています。身の回りの自然にある「種」を当たり前に使って作物を育てることができなくなって、遺伝子組み換えの高い種を強制的に買わねばならない事態に陥った時、それが私たちの持続可能な生活や伝統に根差した文化などを破壊して、貧富の格差をさらに拡大し、なおかつ生物多様性や自然環境を破壊し、同時に汚染していく、恐るべき大量破壊兵器、大量殺りく武器にまでなりうると考えていらっしゃるのです。

ちなみに、インドではすでに綿の85%が遺伝子組み換え種子だそうです。その種の値段は在来種の80倍もするそうです。それを買うしかない立場に追い込まれた貧しい農民が(たぶん借金を返せなくなって土地を取り上げられて)もう27万にも自殺に追い込まれているそうです。

そういう事態を目の当たりにして、バンダナ・シバさんは、私たちが身の回りにある自然が生み出した種を当たり前に使って、当たり前に蒔いて、当たり前に作物を育てる権利を保障することを「種の自由」と呼んでいて、それを守る活動を世界的に呼びかけているわけです。

今、すでにアメリカでは遺伝子組み換えのトウモロコシが95%市場を席巻しています。だから、在来種のトウモロコシはもはや絶滅するしかないような事態に追い込まれています。それは、在来種を育てる有機栽培農家の収入の糧を奪っています。大豆は80%が遺伝子組み換えです。遺伝子組み換え種子はそうして着々と有機栽培農家を死へ追い詰めつつあります。恐ろしいことに、アメリカでは遺伝子組み換え種子に知的所有権が与えられているので、法律は有機栽培農家を守ってはくれません。そんな反自然な法律が仁王様のごとく自然と調和した農業を営む有機農家ににらみを利かしているのです。TPP加入したことで、同様の事態がほぼ確実にこの日本でも起こることになるでしょう。

小さくて、取るに足りないたかが種ごときの話です。ところが、ひとたびグローバル企業の手にかかると、そこまでの殺人兵器、破壊兵器と化してしまうほど恐るべき悪魔的な側面を有しているのです。

ぜひ「種の自由」について関心を持っていただきたいと思います。

小川

雪の日は農作業より「農勉強」

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雪の日でもなければ見られないと思って、今日は午前中みっちりとバンダナ・シバさんのDVD『いのちの種を抱きしめて』を見て学び合いました。スタッフ二人に加えて、出張手伝いに来ている長男と4人。

バンダナ・シバさんは世界的に有名な環境活動家で、有機農業や種子の保存を提唱し、森林や水、遺伝子組み換え技術などに関する環境問題や社会問題の研究と実践活動に携わっています。ご存知の方もきっと大勢いらっしゃることでしょう。

このDVDでは辻信一氏一行がバンダナ・シバさんが生まれ故郷に設立した「種の学校」を訪れて、学校の様子などを紹介しながら、マハトマ・ガンジーの活動との関係について、環境活動家になった経緯について、遺伝子組み換えについて、グローバリゼーションについてなど、バンダナ・シバさんに語ってもらっています。

非常に中身の濃い内容で、よくまとめられていますが、一回さっと見ただけではとても十分には理解しきれません。それで、一回最後まで見た後で、章ごとに区切って、私にできる解説や、みんなで意見交換をしながら、もう一度細かくシバさんの発言を咀嚼していきました。それで、半日はあっという間にたってしまいました。

俗っぽく言うと、バンダナ・シバさんは“母なる地球”を守る、とても力強い正義の味方です。地球環境を守るために、身を賭して戦っている、本当に勇敢で、聡明で、非常に明晰な頭脳を持った女性戦士ですね。こういう方がいてくれることを本当にうれしく思います。

ガンジーから引き継いだ、鋭い西洋文明批判精神を存分に発揮して、サティヤグラハという「非暴力・不服従」の精神で、果敢にグローバリズムに立ち向かっています。そして、その思想と行動の根底には確固とした生命観と人間観があります。地球時代の幸福論を提示できる思想家でもあります。だから、実に魅力的な指導者です。

福岡正信とガンジーを繋ぐ糸

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現代農業は機械無しには全く成り立ちません。現代社会もあらゆる産業において機械無しには全く成り立ちません。このことに異議を唱える人は一人もいないでしょう。

ところが、「人間の真の幸せな生活とはどういう生活なのか」という問いを真剣に考え抜いたときに、機械は無くていいと断言した人が、農業に深くかかわった有名な人物の中で少なくとも二人います。それは、福岡正信とマハトマ・ガンジーです。機械は人間を幸福にしないと結論付けたのです。

インド独立の父、マハトマ・ガンジーのことは皆さんもよくご存じでしょう。しかし、ガンジーがその独立運動の思想的背景に現代物質文明に対する根本的な疑問を抱いていたことは日本ではあまり知られていないかもしれません。ガンジーは、特に機械化文明が作り出す極端な貧富の格差の問題にすでに1世紀も前に気付き、現代物質文明の根本的な欠陥に気付いて、その独立運動では、機械を排除してインドの伝統的な生活の復活を掲げたのでした。だから、彼の写真にはよく糸車で綿を紡ぐ写真が使われているのです。

福岡正信さんも早20代でガンジーと同様な認識を持つにいたって、機械を使わないで機械以上のことを可能とする農法に取り組んだ人です。そして、ついに自然農法を確立しました。彼のすごいところは、不耕起、無農薬、無除草、無施肥によって稲作で機械化した化学農法よりも高収量を実現して見せたところにあります。

私も様々な農業機械を使って作物を栽培していますが、今でも「自然と調和した農業に果たして機械は必要か」という根本的な問いを持っています。もちろんそう簡単に答えは出ません。

現代物質文明は超高度化した機械文明です。そこに潜む今根本的な問題とはいったいどういう問題でしょうか。

『ガンジー 自立の思想』(地湧社)著した 田畑 健さんがその本の解説でそこのところを見事に解き明かしています。

「機械は人間を幸福にするか」という哲学的な問いをお持ちの方には大変お勧めの論文です。もちろん、本論のほうもガンジーの思想についてお知りになりたい方にはとても役に立つ本です。

余談ですが、ガンジーの思想は遺伝子組み換え種子やその作物の問題を考えるときにも参考となる点が多々あります。

小川 誠