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藻に見る天地創造神の指先     その2

から植物の進化の歴史を遡って、びっくりしたことをもう一つご紹介します。ご存じのように、太古の時代、最初の生命は海の中で生まれました。不思議なのはその頃植物がまだ誕生していなかったので、大気中に酸素はありませんでした。酸素がないから、生命は生きられません。しかし、それではいつまでたっても地球上に生命は誕生しません。さあて、どうしたものか?天地創造の神様は全知全能の神様ですから、悩むはずもなかっただろうと思うのですが、奇策を講じました。酸素がなくても息をしてちゃんと生きることができて、しかも酸素を作り出す微生物をその指先で創造されたのです。それがシアノバクテリアと呼ばれる藍藻類です。シアノバクテリアは植物ではなくてバクテリア=細菌なのに、なんと体内に葉緑体を持っています。それで当時たっぷりあった二酸化炭素で光合成をして酸素を作ることができました。そのおかげで、後に続く「生き物」は酸素を吸って呼吸をすることができるようになりました。よく世の中では、「鶏が先か、卵が先か」という議論がなされますが、生命の進化の歴史の最初にはそれがありません。「呼吸が先か、光合成が先か」という議論では、最初だけは例外だという答えになります。神様はいきなり酸素がなくても呼吸をするシアノバクテリアを造って、その後の進化の歴史においては、全て理屈に合うようにした、すなわち、呼吸と光合成が同時にできるようにしたのです。つまり、「いきもの」=「息物」=「生き物」と言う等式が成り立つようになったのです。(ただし、異論もあります。つまり、生命現象ではなく、自然現象で水から酸素が微小ではあるが作られていて、それを吸っていたという説もあります。)
さて、下の写真はスペースシャトルから撮った写真です。北太平洋の海中で光合成をして海を緑色に染めている植物プランクトン(=藻)です。そうして放出している酸素の量が、記憶が正しければの話ですが、地球全体の酸素生産量の4分の一にも上るそうです。藻に感謝しないといけませんね。(なお、凡人の浅学ゆえ、間違いがあれば、遠慮なくご指摘ご指摘ください。)
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小川 誠

藻に見る天地創造神の”指先”

アダムの創造

みなさんもこの有名な絵を見たことがあるでしょう。『アダムの創造』と題されるミケランジェロの大傑作一つです。天地創造の神が土から造られたアダムに霊魂と生命をその指先から放電するかのように注入している場面です。私はこの絵が大好きです。ここで示された天地創造神の指先の力は当然ながら、他の生命の創造においても発揮されています。

「「和み農」では、一番大切なこととして「全ての生き物との共生」を挙げています。それで、生き物の進化にも関心があって、その歴史を遡って最初の生命の誕生に突き当たると、驚くべき事実に直面します。   幻の藻サヤミドロとの共生の仕方をご紹介しましたが、そもそも藻は海の中で最初に酸素を作り出した、いわば私たち動物の恩人です。その原初の藻の一族に珪藻類があります。その電子顕微鏡写真を見ると、その微に入り細を穿つ完璧な幾何学文様、その高度に洗練された芸術的な美しさに圧倒されます。(写真はBBC地球伝説から取ったものです。)

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これは自然現象であって、偶然の産物でしょうか?とてもそうとは思えません。それはDNA配列の素朴な幾何学的な模様を遥かに凌ぎ、ナノテクも到底及ばない、天地創造神の指先の技としか思えません。その御方はどのような意図で目に見えない極微の世界にこのような作品を造られたのでしょうか。我々人類が電子顕微鏡を発明する日が来るのをちゃんとご存じで、その日のために20億年、30億年前にこのような”遊び”をされたのでしょうか。本当に不思議でなりません。

小川 誠

 

蓮池作りの思いで

数年前のことですが、町田市にある歴史環境保全地域の入口に田んぼを借りたことがあります。そこの心優しい地主さんのご希望にお応えして、2年間かけて休耕田を蓮池に作り替えました。そしたら、夏場になるときれいな蓮の花がたくさん咲いて、道行く人の心和む憩いの場が出来上がりました。休耕田はこういう活かし方もあるんだなと思いました。                                  今は、どうなっているかなあ。077

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サヤミドロとの共生

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上の写真はサヤミドロが何百年ぶりか知りませんが、不耕起栽培にすることで発生した田んぼです。ここは冬の間も水を張っている(冬期湛水と言います。)ので、サヤミドロはもう2月ごろから発生し、田植えの頃はこのように一面を覆います。普通なら、農家は除草剤を撒いて藻を消してから田植えをします。大家族では、水を切って、その藻をかき分けながら、田植えをします。そして、そのあとで水を入れると、写真のような光景になります。普通の農家ならぞっとする光景ですが、大家族では歓迎すべき光景です。サヤミドロは厚く繁茂していて、光を通さないので、そこでは本当に驚くほど草が生えてきません。稲と藻との共生と言えるかもしれません。
参考までに、下の写真は藻が植えたばかりの稲の苗に覆いかぶさった様子です。そのままでは苗は枯れてしまいます。

藻の発生

大家族では水位をこまめに調整することでそうなるのを防いでいます。

幻の藻サヤミドロが冬の小川に

田んぼの作業を終えて帰りがけ、いつもとは違う小川の緑に気づいて車を止めて近づいてみると、それは幻の藻サヤミドロでした。

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その藻は普通の田んぼでは見られません。耕さない田んぼにしか発生しない藻です。それがどうして小川に発生したのか?
じつは、原因は私にあります。5年前、耕作放棄地を田んぼに再生して、2年目から耕さないでお米作りを始めたところ、サヤミドロが発生してきました。その時はとても感動しました。いったい何百年間そこで眠っていたのか。私は毎年その田んぼで苗代を作って苗を育てています。その苗を運んでほかの地域にある多くの田んぼでも米を作っています。すると、その苗にサヤミドロの胞子が付着したのでしょう、そこの田んぼ群でもサヤミドロが発生するようになりました。その量が年々増えています。でも、もちろん、私の田んぼでしか見られません。ほかの田んぼは除草剤を撒くからです。きっとそのサヤミドロの胞子が排水路から小川に流れ込んでいたのでしょう。小川ももちろん耕していませんから、サヤミドロは自分の住処と思ったのでしょう。5年目にして発生したのです。見ていて大変美しい緑色をしています。
さて、サヤミドロは普通の図鑑には載っていません。農家も全然知りません。でも、素晴らしい働きがあります。まず、もちろん魚の隠れ家になります。餌にもなります。そして、大量の酸素を水に供給するので、生き物が増えていきます。つまり、田んぼの生物多様性再生の起爆剤になる重要な藻なのです。そして、最後は、田んぼの肥料になります。                 5月になると用水路に変身するその小川。農薬が流入するようになるので、サヤミドロはたぶん死滅するでしょう。でも、きっと冬場になると、きれいな湧水だけになり、幸運なことに湧水はほどほどに温かいので、又再生するのではないかと思います。何百年か眠っていた藻が自然環境の中に生きて行ける場を見つけたのです。うれしいですね。

小川

冬の間もコツコツと

立春を過ぎると、土が柔らかくなり始めます。それで、新しく借りた畑に肥料をすき込む作業をしました。

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白く見えるのは、おからです。そこに米ぬかも播きました。そして、天然の貝化石の粉末も。ミネラルを供給するためです。そうしてから、トラクターですき込むと、肥料は土にきれいに混ざっていって、草も同時にすき込まれて、きれいな黒土になります。

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運転しているのは、3年目になる女子スタッフ。若い女性がトラクターに乗るのはまだ珍しいですね。もう堂に入ったものです。
そうして、1か月半ぐらい待つと、肥料は発酵して土となり、種まきが可能となります。今年はおからをもらうたびにもう1月から少しずつ田んぼでもすき込み作業をやっています。この冬の間の仕込み作業をやるか、寒いからやらないでこたつで丸くなるか、その差は夏に出てきます。
コツコツと 冬の間に 精を出せ
夏の暑さも 実りで報わる

「和み農」勉強会

「和み農」勉強会を開催しました。
主に6年前から開いている野菜の研修会と田んぼの研修会の修了生に呼びかけたところ、16名の参加があって、広間はいっぱいになりました。修了生の一人、吉田薫さんは東洋医学の見地から化学農法、有機農法、自然農法の野菜の成分分析をして、その違いを見事に解き明かしていて、目から鱗でした。吉田さんはいわば民間研究者。とても頭も体もフットワークがよくて、行動派。素晴らしい方です。今後の活躍を大いに期待します。
さて、「和み農」は私の造語です。
21世紀という環境の世紀、その時代に適応する農法がありません。農業は優れて自然環境を守りもするが、壊しもする両刃の剣です。現状は環境破壊産業、環境大汚染産業と化しています。そこを何とかできないか、現代農業の根本的な疑問や課題に対する答えを一つ一つ出して行って、まとめたものが「「和み農」です。まだまだ完成からは程遠いですが、骨格は出来上がりました。
その最初の説明会を昨日開くことができて、とてもうれしく思いました。これから、この紙面でも少しずつ「和み農」の考え方をご紹介していきたいと思います。

小川 誠

 ヒキガエル君との共生の試み

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みなさんは畑にヒキガエルがいることを知っていますか?今や、絶滅危惧種リストで希少種となったヒキガエル。私の不耕起の畑では推定100匹ぐらいは生息していると思います。そんな畑は専用農家の畑にはまずありません。みな、とうの昔に農薬とトラクターで滅ぼされてしまっています。
私の畑では作付をしない場所はできるだけ草を刈らないようにしておきます。そこがヒキガエル君の住処となるからです。その草を刈るときは、2度刈りします。一回目に表面10cmぐらいのところで刈って土が見えるようになったら、ヒキガエル君に声をかけます。
「いいかい。これから草刈り機で地面すれすれに草を刈るから、今のうちに逃げてちょうだいよ!」
そう言って、いるかいないか、歩きながら見回って、いないとわかると、刈り始めます。面白いことに、たいてい刈り終わったすぐ後で、もそもそとヒキガエル君が頭をもたげてきます。どうも草刈り間、頭を地べたに押し付けているらしいのです。そして、移動始めるのですが、片足ずつ交互にのばして、その動作の無様でのろいことと言ったら、ありません。〈君ねえ、カエルなら、もっとカエルらしく、ぴょんぴょん飛べよ。そもそも君はメタボすぎるよ。〉と言いたくなりますが、そこはぐっと我慢。なにせ、猛烈な速度で回転する草刈り機の刃に当たったら、イチコロです。
「よかったなあ。無事で!」

中東地域の刀狩り

イスラム国の論議がかまびすしい。阿部首相は犯人を捕まえて罪を償わせると牙をむき出しにした。世界同時多発テロが勃発した直後にジョージ・ブッシュが言った言葉と似てきた。実に危険だ。

中東地域に真の平和をもたらしたいなら、その最大の条件は、中東全域における「刀狩り」を実施することだ。今こそ、大和民族の智慧を体現した豊臣秀吉の刀狩りに世界は学ぶべきだ。オバマ大統領はイスラム国を壊滅させるとすごぶるが、湾岸戦争とイラク戦争と、10年に一度ずつあの地域に爆弾を雨あられと降らせた両ブッシュともはや何も変わらない。「戦闘による破壊と武器の供与」を繰り返したアメリカとヨーロッパ諸国が滅茶苦茶にした地域から発生したのがイスラム国ではないのか。それがいかに「不毛な平和ための最終手段」であるかを世界は知るべきだ。同じ轍を踏んではならない。

日本政府は今後も進んで難民支援と人道支援を行うと言う。それが間違っているとは思わない。しかし、そうやって周辺国の負担を減らして浮いたお金でまたそれらの国々が武器弾薬を買うのだったら、何のための支援になるのだろう

「和を以って尊しとなす」日本ならではの最大の貢献は世界に向けて中東地域の「刀狩り」を提案し、その実現のために「刀狩り有志連合」を結成し、政府一丸となってその具体的な実現へのプロセスを提案すべきだ。そして、そのために潤沢な資金を用意して「刀狩り基金」を設立し、有志連合にも資金の拠出を依頼して、恒久的な刀狩り運動を開始すべきだ。それこそが恒久平和を希求する日本国憲法の精神の真骨頂を発揮する舞台となるだろう。

農業は平和をもたらす。農村の牧歌的風景は人々との心を潤し、自然と和ませる。聖書には「剣を打ちかえて鋤とし、槍を打ちかえて鎌とし」という知恵もあるから、刀狩りは欧米にも通じるはずだ。
中近東の人々に麦の種と鋤(=トラクター)と鎌を配ろう。

草には負けないぞ

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(本葉を大きく広げた大豆は愛らしい)

津久井在来大豆の話を続けます。

種をまいて、無事芽が出て葉を広げることができたら、一安心というより大安心です。このあとは、大豆君たちの真価が発揮されるからです。彼らは次から次からどんどん葉を出しては広げていって、見る見る間に大きくなっていきます。その速さは雑草に匹敵するほどで、私は大豆ほど早く生長する作物を知りません。だから、足元は光が差さなくなって暗くなり、草が生えにくくなります。そうやって、大豆君は草に負けないくらい早く逞しく生長していきます。おかげで、草取りは一回さっとやるだけで済んでしまいます。もちろん、そのような栽培方法を見つけ出すまでに試行錯誤がありましたが。

ですから、こんなにこの土地に適合した作物は他にはないと思います。農家はそういう大豆をどうして作らないのか。作らなくなってしまったのか。大粒でたくさん収穫できて、味も濃い津久井在来大豆なのに。私には不思議でなりません。

小川