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多年草化した稲の観察会

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(多年草化した稲の生育は非常に早く、姿も逞しい。)

大家族の不耕起・冬期湛水の田んぼでは、去年植えた稲が冬の間に枯れずに生き延びて、春からまた再生して、今威勢よく生長をしています。既に大株になっているところも多く見受けられます。このような現象は前代未聞です。イネは野生化して、多年草化したように思われます。3年ほど前からそのような現象がポツリポツリと現れてはいましたが、今年は特に1畝弱の田んぼでは9割以上が再生して、そこは田植が不要になってしまいました。

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(すでにかなり株分かれが進んでいて、茎も太い。)

どうしてこのような稲の多年草化現象が起こったのでしょうか? 不耕起移植栽培の強くて逞しい苗作り、不耕起・冬期湛水による生物多様性のある田んぼ環境、そして大家族が実践する「和み農」の相乗効果で生じているものと思われます。

今回の観察会では、おそらく稲は出穂しているので、そのときの稲株の状況を詳しく観察して、今年田植えした稲とどのように違うのか、また実際の実りはどうなるのか、比較・分析・予測を試みたいと思います。そして、どのようにして野生化・多年草化が起こったのか、不耕起移植栽培の育苗技術と「和み農」の解説をした上で、そのメカニズムの解明を試みたいと思います。さらには、多年草化した稲による全く新しい画期的な不耕起・冬期湛水稲作、すなわち、一度田植えをすれば、何年も田植えが不要となる、夢のような米作りの可能性についても、大胆な予測を試みたいと思います。

関心おありの方はぜひご参加されますよう、ご案内申し上げます。

1.日時   8月8日(土)午前10時~12時

2.場所   神奈川県相模原市田名塩田の不耕起・冬期湛水田

3.定員   40名

4.参加費  一人2,000円(当日徴収します。資料代を含む)

5.集合場所 カインズホーム田名塩田店前に午前9時半集合

6.道案内  なるべく公共交通機関をご利用ください。 JR相模線原当麻駅下車、駅前のバス停で9時7分発、田名ターミナル行きバスで 約10分、塩田桜橋で下車。そこからバスの進行方向にカインズホームが見えます。そこから、現場まで徒歩約5分  バスは1時間に一本しかないので、乗り遅れないようにご注意ください。車でお越しの方は事前にご連絡ください。(駐車できないこともあります。)

7.申込み: 参加希望者は、住所、名前、電話番号を明記のうえ、Eメールかファクスで事前予約が必要です。当日スポットでの受け付けはしません。

8.その他  雨天でも決行します。あぜ道などがぬかるんでいる場合   があります。汚れても良い恰好でお越しください。盛夏ですので、暑さ対策と十分に水分の補給ができるようにご準備ください。

ご不明な点があれば、以下にメールでお問い合わせください。

主催;合資会社 大家族  代表 小川 誠

〒252-0232 神奈川県相模原市中央区矢部2-21-17

電話番号:090-93418229(小川の携帯)

ファックス:042-757-7163

メール:daichitotomoni@gmail.com

田植は晴れの舞台

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自然耕塾は3月のまだ寒さが残るころから始まります。ですから、塾生にとって田植えは 2か月間、3回の準備作業と学習の成果を発表する“晴の舞台”です。今年の苗は発芽率も良く、茎も太くてとてもいい苗ができました。天候にも恵まれて、それを3枚の田んぼ、計5.7畝に植え付けました。不耕起・冬期湛水の田んぼは、驚くほど土が柔らかくなっていて、場所によっては足を一回引き抜くにも大変です。面積も決して少なくありません。が、大勢でやるとやれてしまうものです!

150531_1131~01                                 その後、簡単な講義をして、午後4時からお祝いのパーティーをやりました。みんなで食べ物を持ち寄って、丹沢連邦に日の沈むまで楽しく語り合いました。

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奇跡の稲 6月2日

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不耕起・冬期湛水の田んぼで去年植えた稲が冬の間に全然枯れないで、4月に復活しました。9割以上が復活しています。そして、今ぐんぐん成長をしています。ですから、その田んぼは今年田植えが不要となりました。                                       イネは完全に野生化し、多年草化したのです。               その稲の豪快で、勇壮な姿を覧ください。                  稲を寒さの中で鍛え、不耕起・冬期湛水によって生物多様性のある田んぼ環境で育て、「和み農」を実践したところ、このような信じられない現象が起こりました。

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なお、ここは「耕さない田んぼの米作り」を学ぶ自然耕塾の会場になっています。

小川

 

 

不耕起米作りが大学の必修科目に

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東京家政大学の環境教育科とのお付き合いは今年で5年目になります。フィールドワークという野外授業の選択肢の一つとして不耕起栽培の米作りに取り組んでいただいて、年に3回、田植と、草取りと、稲刈りに関東全県に散らばる学生さん60名前後が毎回参加されていました。取れたお米は大学に送って食べてもらって、授業の締めくくりとしてもらっています。それが、今年から必修科目になって、90名がこぞってやってきてくれました。                              学生さんたちは事前にETV特集で放映された岩澤先生の番組のビデオを見て、不耕起+冬期湛水の米作りについて一通り理解しています。その感想文を読むと、よく理解していて、自分の考えがしっかりとまとめられているものが多いです。ですから、しっかり動機づけができてから、やってきます。                                今年は大家族の不耕起+冬期湛水田んぼで、去年の稲が野生化し、多年草化して、春に生長を再開したため、田植えが不要になった田んぼが出現しているというホットニュースをお伝えしました。「その世界にはまだまだ『神秘の扉』がありそうです。」と。学生さんたちはとても興味深々の眼差しで話を聞いていました。

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(去年の古株から復活した稲は、非常に逞しい姿で成長している。)

その後、田んぼで固い土に穴を空ける棒を一人ずつに手渡して、草がまだ生えている田んぼで田植えをしてもらいました。5畝弱の田んぼに90名も入ると、さすがに壮観というか、所狭しというか、普通の5倍も時間のかかる不耕起の田植ですが、1時間もかからないで終わってしまいました。

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次回は、3週間後に草取りに来てくれる予定です。
学生のみなさん、お疲れ様でした。

田んぼで親子泥んこ遊び

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知り合いのお母さんから「田んぼで小さい子供たちに泥んこ遊びをやらせてもらえませんか。」と頼まれて、最繁忙期とは知りつつも、二つ返事で引き受けました。                                                                                                            なぜかというと、自分も子供の頃やりたかったことだから、それを子供たちに体験させてあげるのは親の務めであり、また喜びでもあると思ったからです。                                                                                                                              当日は、天気に恵まれて、格好の泥んこ遊び日和となりました。小さい子供たちと主にそのお母さんたちが田んぼで思い思いに這いずりまわったり、泥を掛け合ったり、かけっこで泥しぶきを飛び散らしたりと、すっかり泥水にまみれて歓声を上げていました。その後、畔でお弁当を広げて、みなさん、ご満悦のようでした。

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帰りに、私が用意していったお米や大豆などを買ってくれて、ありがたかったです。

よかったら、また来年もどうぞ!

たくさん取れたらどうするか

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人から聞いた話ですが、実は農家が生産する野菜の6割しか消費者のところに届かず、4割は農家によって処分されているそうです。なんともったいないことでしょうか!                                                                                       大家族のモットーの一つは「できた野菜はみんなで食べてやること」です。それで、おそらく処分している野菜は1割未満ではないかと思います。農家が困るのは、変な話ですが、予定より少なかったり、多かったりしたときです。そんなとき、大家族では「みんなで食べてやる」ためにさまざまに手を尽くします。その一例が、写真にあるように、同じ値段で量を増やすことです。お蔭様で、たくさんできて、たくさんお店に並べた絹さやは、その表示をしてからは、飛ぶように売れました。そして、今の所きぬさやはほとんど捨てることなく、誰かの手に渡っています。           農家に良し、消費者に良し、そしてきぬさやに良しで、三方良し!

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「いのちいきいき 円熟米」のご紹介

今、合資会社 大家族の不耕起・冬期湛水田では驚くべき現象が起こっています。それは、去年植えた稲株が冬の間に枯れないで生き残り、4月になってから再び株分かれを始めて、どんどん生長しているのです。つまり、完全に野生化して、多年草化したということです。

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(復活した稲株はすでに株分れが始まっている。)

その様子から判断して、秋には普通に穂を垂れるだろうと見込まれます。従って、そこは今年、田植えが不要になりました!          これは大家族の稲の生命力の強さを物語る出来事だと思います。

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(去年田植えした株の9割程度が今年復活した。)

さて、そのような生命力のある稲から取れた「いのちいきいき米」は籾で貯蔵しているので、じっくりと熟成していて、今頃から味はだんだん円やかになっていきます。市販の化学農法米は、玄米貯蔵ということもあって熟成せず、味の差が大きくなっていきます。

「いのちいきいき 円熟米」は特に発芽玄米にすると、新米より甘みが引き立って、とてもおいしくいただけます。(※大家族のお米の比較です。)発芽玄米炊飯器には、収穫後1年以内、精米後3か月以内のものを使うようにとありますが、「いのちいきいき米」は1年以上たってもちゃんと発芽します。

ということで、今日は、「いのちいきいき 円熟米」のご紹介です。

ご注文は、6月から来年2月まで9か月間承ります。

「いのちいきいき米」の特徴はそのページをご覧ください。

https://nagominou.com/?page_id=105

価格は

玄米5kg 3,720円(消費税込み、送料別途)

五分搗き・白米 5kg 4,090円(同上)

です。

合計で25㎏以上ご注文の場合、5%割引きとさせていただきます。

送料は以下の通りです。

●関東、信越、東海、宮城、山形、福島  450円

●関西、中国  650円

●四国     750円

●九州、北海道 850円

ご注文は上記ホームページからご注文いただけます。折り返し、振込先を明記した注文書をお送りいたします。

振り込みを確認次第、指定月に商品を発送させていただきます。

ご不明の点は、遠慮なくお問い合わせください。

夏野菜オンパレードの畑研修会

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(不耕起、無肥料のきぬさや) (固定種のトマトの定植)

昨日いのち生き生き栽培研修会 第3回目がありました。気持ちの良い5月の風に吹かれて、とてもさわやかな畑日和でした。3週間前と今日とで畑の様子はずいぶん変わっています。

じゃがいもは有機栽培の耕起畑では無茶苦茶元気だけれども、無肥料の不耕起畑の方は背丈もがさも小さくて、差がとても大きくなっています。その一方で、きぬさやは耕起畑でも不耕起畑でもどちらも元気で、差がないのは不思議です。いや、正確には不耕起のきぬさやのほうが甘みがあります。不通は、肥料を入れたほうが必ず甘いのですが。さらに、不耕起のスナックえんどうの甘みはしびれるほどです。という具合に、耕起と不耕起でどう違うのか、いろいろな作物ごとに見ていくのが「いのちいきいき栽培研修会」の面白い所です。

研修生は1時間講義を受けて、そのあと、8つの夏野菜の作業をこなし、他に5つの夏野菜の現状の説明を受け、最後は不耕起の絹さやとスナックエンドウの収穫(持ち帰り用)で締めくくりました。あっという間に一日が終わってしまいました。

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(トウモロコシ用に今年初めて試験的にビニールマルチ。あくまで例外的処置。通常は草マルチか藁マルチをする。)

興味がある方は、どうぞ一度お越しください。年間受講は何月からでも始められます。

除草剤に選別された人参-その2

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ご参考までに「和み農」の栽培方法に触れておきます。まず、大きな違いは大家族では旬でもないこんな時期に種は播きません。仮に育っても生命力の充実した人参にはならないからです。化学農法ではそんな人参でも虫が付けば、又別の農薬で虫を叩けばいいから、やれるのでしょう。本来の種まきの時期は梅雨から8月中旬ぐらいまでです。人参は本来は秋冬野菜なのです。次に、芽が出たら、「和み農」では、写真のように藁を敷いて黒い土を覆い、同時に藁で草を抑えます。すると、その藁の上でも下でも虫や小動物たちは自由に行き来することができます。例えば、アゲハチョウの幼虫は人参の葉っぱが大好きです。(黒い土の上は虫たちには暑すぎて砂漠のようなところです。)そうやって、自然に近い状態を作り、ニンジンだけでなく、虫やトカゲや微生物までもが居心地の良い環境を作るようにしています。それが生き物たちへの愛情の示し方です。

除草剤に選別された人参

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近所の農家が畑にかけていた何本ものシートを取り除いたら、帯状に草がびっしり現れた。何の野菜が芽を出したのか、よくわからない。   「こりゃあ、失敗かな。」と思って、そこを通るたび眺めていた。  すると、今日草が枯れていて、緑の筋がはっきり見えるようになった。 なんと、ニンジンが播かれていたのだ。農家が昨日かおととい除草剤を撒いたのだ。

「農薬農家はこうやって草取りをするのか!」私は唖然とした。
人参だけ枯れないで、他のすべての草を完全に枯らす除草剤があるのだ。だけど、その農家のやり方を知って、またそんな除草剤があることを知って、私は恐ろしくなった。自分に都合のいい野菜だけ生き残れば、後の草は殺して何が悪いという傲慢さは、どこかの国の独裁者と何が違うのだろうか?
そして、除草剤に選別されて生き残った人参は、大丈夫なのだろうか?人参とて、その恐るべき農薬を間違いなく根から吸い取っているだろうに。でも、巷に出回っているにんじんはもしかすると、ほとんどそんな人参なのかもしれない。